「止まらない本離れ」「街から本屋が消える」……。暗い話が目立つ出版業界だが、そんな“衰退論”を覆そうとする人々がいる。顧客が本に出合う場を変え、出合い方を変え、出合う意味までも根本から考え直す。そこには他業界にとっても価値がある、人口減時代に生き残るマーケティングのヒントがある。 今年1月31日~2月1日に開催された「二子玉川 本屋博」の会場で、元書店員の田口幹人氏は「本屋始めませんか」と来場者に呼びかけていた。田口氏が現在勤務する出版取次会社、楽天ブックスネットワークが提供する書籍の少部数卸売りサービス「Foyer(ホワイエ)」を使えば、誰でも地域の交流のハブになる「まちの本屋」の役割を担えるという思いからだ。 >>前回記事はこちら ただし、こうした普及活動は楽天ブックスネットワークでの業務というより、田口氏の個人活動の側面が強い。本屋博で田口氏が立っていたブースの名前は「語夢万里文庫」