娯楽映画の制作現場を描いた漫画「映画大好きポンポさん」が、アニメーション映画化された。監督は、「劇場版 空の境界 第五章 矛盾螺旋」(2008年)や「GOD EATER」(2015年)、「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」(2013年)などの平尾隆之氏。今回の「ポンポさん」では、映画プロデューサーであるポンポのアシスタント、ジーン・フィニが新人監督として映画づくりに没頭するドラマを、熱烈なタッチで描いている。 いっぽうで、華やかな絵づくりも強い印象を残す。今回は、「ポンポさん」の色彩設計を担当した千葉絵美さんにお話をうかがってみた。 キャラクターが手にする小道具は、現実感のある色を使う ── アニメの色といえば、かつてはセルの裏から絵の具で塗っていましたよね。千葉さんは、そういう時代を経験していますか? 千葉 私が業界に入ったときは、アニメの制作がアナログからデジタルへ移行する過渡期で、まだセルに