高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉が現実味を帯びてきた。原子力規制委員会は点検漏れ問題で文部科学省に対し、信頼できる運営主体を探すか、安全対策を抜本的に改善するかを勧告する。どちらかを実現しないと、廃炉は避けられない。もんじゅは国が推進してきた核燃料サイクル計画の中核的な存在。なくなれば、十兆円をつぎ込んできた計画は名実ともに破綻する。 (小倉貞俊、榊原智康)
点検漏れの発覚後も、新たな点検漏れが相次ぐ「もんじゅ」=2014年3月、福井県敦賀市で、本社ヘリ「あさづる」から 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で、機器の点検漏れが三年前に発覚して以来、新たに七回も漏れが見つかっている。こうした事態に、原子力規制委員会では「このまま機構にもんじゅを委ねていていいのか」との声まで上がり始めている。 (大野孝志) 点検漏れが初めて発覚したのは二〇一二年十一月。一万点近くの機器で、定められた点検を怠っていた。機構の鈴木篤之理事長(当時)が規制委事務局に「形式的ミスが出るのはやむを得ない」と、安全軽視と受け取れる発言をしていたことも判明。理事長は引責辞任し、規制委は事実上の運転禁止命令を出した。
国の新しい自殺総合対策大綱(二〇一二年八月に閣議決定)で、若年層の自殺対策は重要課題に挙げられているが、その土台となる研究は極めて乏しい。科学的根拠を高めるため、東京の自殺予防総合対策センターが中心となり、国内外の研究成果や取り組みを紹介する報告書づくりを進めている。先月三十日、東京都内で中間報告会とシンポジウムが開かれ、医療、社会、教育など幅広い発表があった。 (編集委員・安藤明夫) 日本の自殺者数は、一九九八年から十四年連続で三万人台に達したが、二〇一二、一三年は二万七千人台に減少した。しかし、二十歳未満に限ると、九八年から十六年連続で五百人以上と、横ばいだ。 中間報告では、自殺予防総合対策センター副センター長で、報告書づくりの医療班代表の松本俊彦医師が、未解明の部分が多いことを強調。その上で「若年層の自殺対策は、慢性型と突発型に分けて考えていく必要がある」と話した。
集団的自衛権行使容認反対の集会で「9条こわすな」と「戦争反対」をアピールする参加者=17日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で(梅津忠之撮影) 安倍政権が目指す集団的自衛権の行使容認に反対する市民集会が十七日、東京・日比谷公園で開かれた。憲法解釈変更の閣議決定に向け与党協議が続く中、主催者発表で約五千人が「戦争反対」「九条こわすな」と紙を掲げ、「閣議決定絶対やめろ」と声を上げた。 (榊原崇仁、大平樹) 百三十六の団体でつくる実行委員会を代表し、「許すな!憲法改悪・市民連絡会」の高田健さんが「『新たな戦前』という時代を迎えるかもしれない。草の根の市民運動で首相の企てを止める」と宣言。元自衛隊員の井筒高雄さんは「隊員を人殺しに加担させていいのか」と訴えた。 集会の開始を待っていた埼玉県加須市の渡辺政成さん(68)は、憲法施行のちょうど一年前に生まれた。二〇〇八年、全国の釣り仲間と「渓流九条の会
政府、与党は6日、2014年度税制改正で、オートバイや原動機付き自転車(ミニバイク)の軽自動車税額を引き上げる方向で調整に入った。現在、排気量に応じて年間千~4千円の税額を1・5~2倍の一定比率で引き上げ、さらに2千円か3千円の最低税額を新設する方向で検討する。 排気量250cc超のオートバイの税額は現在の4千円から最大8千円、50cc以下のミニバイクの税額は現在の千円から最大3千円となる可能性がある。 自動車取得税廃止による地方税収の落ち込みを補うのが狙い。二輪車メーカーの反発は確実だ。
参院選公示翌日の五日から十一日までの一週間に、短文投稿サイト「ツイッター」でつぶやかれた選挙関連の政策テーマ件数を調べたところ「原発」が五十六万三千六百四十六件で突出していたことが十二日、分かった。二位の「経済」(十五万四千七百三十四件)、三位の「外交・安全保障」(十五万二千六百五十五件)の三・五倍以上に上り、インターネット上で原発政策への関心が極めて高い実態が明らかになった。 ネットを使った選挙運動の解禁を踏まえ、ツイッターの全量データから参院選関連の三百八十八万一千六百十三件を分析した。共同通信が六、七両日に実施した世論調査では投票の際に重視する課題のトップは経済政策で、原発が最多だったネットと現実の世論との間に乖離(かいり)が生じている現状もうかがえる。
自民党の衆参両院議員でつくる「電力安定供給推進議員連盟」は二十五日、電力の安定供給に向けた提言をまとめ、原子力規制委員会に対する国会の監督強化を掲げた。政治からの独立を求めた自民党自らが規制委に圧力をかける格好になる。 規制委が発足した当時の民主党政権は、環境省の一部として設置する方針だった。しかし、自民が政治介入の可能性を指摘し、独立性の高い委員会に変更させた。 提言書では十項目の要求を連ねた。まず東京電力福島第一原発事故を踏まえ、「安全第一」と示した。一方で、「国会に設置された特別委員会が、規制委に対して事業者や自治体の意見を聞くよう監督を強化する」と明記。電力会社や再稼働の要望が強い立地自治体への配慮を規制委に求めた。
自民党の河野太郎氏は十三日の衆院憲法審査会で、同党が昨年まとめた改憲草案について「憲法の名を借りて、国民の権利を制限する方向に安易に行くことは断固反対を申し上げたい」と批判した。 河野氏は、憲法の在り方として「多くの国民が歴史を通じて、国家権力にたがをはめてきた」と説明。「権利を制限し、義務を課すのは、今の日本にはふさわしくない」と指摘した。 さらに、草案に「家族の助け合い義務」が盛り込まれたことも疑問視。元衆院議長の父・洋平氏への生体肝移植の経験を話し「いいことをしたと思うが、それができる人もいれば、できない人もいる。家族は助け合うべきだが、道徳を憲法で定義するのは少し違う。個人に任せるべきものだ」と述べた。
二〇二〇年東京夏季五輪は電力の余裕が十分あると国際公約しながら、国内では電力の安定供給のために原発再稼働を進めるという相反する説明を安倍政権がしている。電力確保は国民生活や経済活動はもちろん、世界各国から大勢の人が訪れる五輪開催に不可欠。整合性の取れた説明がなければ開催計画の信ぴょう性が疑われかねない。 (関口克己) 安倍政権発足後のことし一月、五輪招致委員会は国際オリンピック委員会(IOC)に詳細な開催計画書「立候補ファイル」を提出した。電力に関する項目では「東京では、既存の配電システムで、二〇年東京大会で発生する(電力の)追加需要に対応することができる」と明記した。 ここに、東電や他の電力会社の原発再稼働方針は書かれていない。にもかかわらず、ファイルでは電力は今後も安定して確保できるとアピールした。 最大の根拠として、昨年七~八月の東電管内の最大電力需要五千七十八万キロワットに対し、七
敦賀原発2号機直下の「活断層」をめぐり、調査した専門家に原電が送りつけた「厳重抗議」のひな型。15日、報道陣に配布された 日本原子力発電(原電)が、敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の真下に活断層があると認定した原子力規制委員会の調査チームの専門家たちに、「厳重抗議」と題した異例の文書を送りつけた。専門家からは「個人として抗議されるのはおかしい」など戸惑いの声が出ている。今後、各原発での活断層調査に当たる専門家への影響も懸念される。 (大村歩)
原発再稼働の条件となる新たな安全設備の基準づくりのとりまとめ役を務める原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員は三十一日、「基準が施行された時点(七月十八日)で、動いている炉も満たしている必要がある」との考えを示した。稼働中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県)が期日までに求められる全ての設備を整えられる可能性は極めて低い。九月の定期検査入り前に、運転停止に追い込まれることが確実になった。 格納容器の破裂を防ぐためベント(排気)をする際、放射性物質の放出を最小限に抑えるフィルターの設置を求めるほか、原子炉につながる重要な配管は多重化し、地震や放射線への対策を施した作業拠点も整備。冷却装置や電源系統も、固定式と可搬式の両方を用意する。
野田佳彦首相は十四日、衆院を十六日に解散することを決めた。衆院選は十二月四日公示-十六日投開票の日程で実施される。民主党が政権交代を果たした二〇〇九年八月以来、約三年ぶりで、東京都知事選と投票日が重なるダブル選挙となる。脱原発や消費税増税、憲法改正の是非が主な争点。なかなか進まない東日本大震災の被災地の再建や東京電力福島第一原発事故の処理を投げ出し、震災後、初の本格的な国政選挙に突入する。 首相は十四日の党首討論で、自民党の安倍晋三総裁や公明党の山口那津男代表に対し、赤字国債の発行を可能にする公債発行特例法案の十六日までの成立や、最高裁が「違憲状態」とした衆院小選挙区の「一票の格差」是正と衆院議員の定数削減に協力を要請した。 さらに、首相は定数削減が今国会でまとまらない場合、来年の通常国会で実現し、それまでの間は国会議員歳費を二割削減するよう提案し「必ずやると決断してもらえるなら、十六日に
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