幽霊が米国を徘徊している――欧州という幽霊だ。共和党の大御所、ニュート・ギングリッチ氏や扇動的な議員マイク・ペンス氏らは、バラク・オバマ氏率いる民主党が米国に「欧州流の社会主義」を押しつけていると言う。 2012年の大統領選の共和党最有力候補と見られるミット・ロムニー氏は、「民主党が米国を政府が支配する欧州の方向へ導こうとする中、我々はかつてないほど必死に米国が米国であり続けるために戦わなければならない」と話す。 こうした考え方は右派に限ったものではない。リベラルな思想を持つニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ロジャー・コーエン氏は、「フランスは1つで十分だ」と米国の欧州化に懸念を示している。 ハーバード大学経済学部教授のケネス・ロゴフ氏は、「私の見るところ、2008年の米大統領選が、米国が欧州大陸の方向に舵を切る転換点だった」と話す。 政治学者のロバート・ケーガン氏が「米国人