先月、甲府市内の民家で白骨化した高齢の男性の遺体が見つかった。知人が発見して警察に通報、検視の結果、病死とみられる。男性は近所との付き合いがほとんどなく、暮らしている様子がみられなかったため、住民は「空き家だと思っていた」ほどだ。誰にもみとられず独りで最期を迎えるお年寄りの孤独死。県内でも高齢化や核家族化に伴って増えている。自治体は地域の見守りで防ごうと、民生委員による定期的な巡回などを展開しているが、人手不足などから満足な活動とはいえない。緊急通報システムを完備した高齢者向けの公営住宅整備も、厳しい財政状況が大きな壁になっている。 甲府市内の幹線道路に近い住宅街の一角にある民家。庭は雑草で荒れ果て、ベニヤ板のドアの一部は朽ちていた。ここで独り暮らしをしていた高齢の男性がひっそりと人生に幕を下ろした。警察が検視したところ、骨に異常はなく、第三者が侵入した形跡がないことから、事件性がないこ