タグ

ブックマーク / satoshi.blogs.com (13)

  • ユーザーに尋ねても必ずしも正しい答えは返ってこない

    今日はたまたま「ユーザーからのフィードバックを集めることの難しさ」が話題になったので、それに関連するエントリー。 もの作りにおいて、「ユーザーが何を必要としているか」を知ることは大切だが、だからと言ってユーザーに尋ねれば正しい答えが返ってくる訳ではないところが難しいところ。具体的な例としては、こんなものがある。 1. サイレント・マジョリティの声は聞こえてこない これはMicrosoftで実際にあったことだが、Outlookのチームではユーザーから寄せられる機能追加のリクエストに従って色々な機能を足していた時期があったが、その結果不必要な機能ばかり増えて、単純な作業が逆にやりにくくなってしまった(たとえばカスタム・フォームが良い例)。このケースでは、ごく一部のヘビー・ユーザーばかりが声がでかく、「今の機能で十分、これ以上複雑にしないで欲しい」というユーザーは何も言ってこない(こういう人たち

  • スティーブ・ジョブズだからこそ可能になったiPhoneのユーザー・エクスペリエンス

    今年のNew Year Resolution(年初の誓い)は、「英語のブログにもっとエントリーを書くこと」。従業員とのコミュニケーションのためにも、楽して日語ばかりで書いているわけにはいかない。 その第一段がこれ。 iPhone, raising the bar of "total user experience" 今回のMacWorldでiPhoneがアナウンスされることはとあるルートからの情報ですでに100%確実と確信していたのだが、何と言っても驚かされたのが、進化がすっかり止まっていた「電話をかける」という携帯電話ならではの機能のユーザー・エクスペリエンスを向上させたこと。 私も日では最新の「3Gケイタイ」を使っているのだが、せっかくの高機能端末も、留守番電話のチェックをするときには、20世紀からほとんど進歩していないプッシュボタン式のサービス(「このメッセージを消去したいときは

  • Life is beautiful: 「若者のテレビ離れ」と「釈迦にキリスト教」と

    CNETのブログに、「『若者のテレビ離れ』に関する一考察」というエントリーを書いたが、手っ取り早く言えば、これからの時代は、 ・朝起きて最初にすることは、メールとmixiのチェック ・テレビをつけない日はあっても、メールとmixiをチェックしない日はない ・一時はGyaoを見ていたけど、今はもっぱらYouTube ・テレビ番組はテレビでみるより、YouTubeで見たほうが楽しい ・YouTubeができてから、テレビ番組の流行に敏感になった ・iPodに入った曲のほとんどはどこかから手に入れたコピー ・プレステは持っているけど最近はほとんど電源を入れない ・次のパソコンはそろそろMacに切り替えようかと考えている ・「固定電話」ってなに? みたいな人たちに楽しんでもらえるデバイスやサービスを作らなければだめだということ。 そんな危機感を、今までひたすら「大きくてきれいなテレビ」や「髪の毛の一

  • 自らが情報を発信する側に立たなければ決して理解できないことがある

    先日のエントリーで、「写真を撮ることになどまったく興味がなかった私が、最近はいつもカメラを持ち歩いている」と書いたが、そのキッカケを作ってくれたのがtreemoという写真共有サービス。 http://www.treemo.com ブログにはいち早く飛びついた私だが、写真を撮るのが特に好きでもなかった私としては、Flikrによる写真共有サービスがはやり初めてもあまりピンとこなかったのだ。日々の写真であれば携帯電話で撮影したものをブログ用で公開すれば十分だし、人に見せられるほどの写真を撮れる腕を持っているわけでもない。 そんな私に、近所の知り合いから連絡があったのが二月ほど前のこと。「写真やビデオを共有できるサービスを提供するベンチャー企業を始めたので、ベータユーザーとして参加して欲しい」と依頼された時には、「いまさらFlikrやYouTubeの後を追いかけても無理じゃないの」という思いもあっ

  • 必ずしも「テクノロジー=人間不在」ではないことをブログが証明してくれた

    何ヶ月か前のことだが、社員の一人が、UIEngine上のサンプル・アプリなどを公開している「UIEngineだ」というブログを発見した。ブログが日語で書かれていることもあり、当初は「サトシが偽名で書いているに違いない」、とふとどきなことを言い出す社員もいたぐらいだ。 それ以来、「UIEngineだ」さんには、フォーラムなどにも活発に参加していただいている。第三者に使っていただくにはまだまだ未熟な点の多いUIEngineだが、こういった方々からの叱咤激励こそが社員たちのエネルギーになるので、大変感謝している。 そんな「UIEngineだ」さんから、「遊びに行っていいですか」と連絡を受けたのは1ヶ月ほど前のこと、それが実現したのが先週のことである。彼のブログには既に訪問レポートが書かれている。 ・「永遠のパソコン少年」の会社-UIEvolution-訪問 その1 ・「永遠のパソコン少年」の会

  • デジタルデバイドとユーザーエクスペリエンス

    CNetのブログに「ユーザー・エクスペリエンスとパーベイシブ・アプリケーションの世界」というエントリーを書きつつ考えたことがあるので、今日はそれに関するエントリー。テーマはデジタルデバイドである。 デジタルデバイドとは、さまざまなデジタルデバイスやネットワークの恩恵を受けられる人と受けられない人の間に大きなギャップが生まれることを指す(参照)。ギャップが生まれる原因には、所得、地域、年齢、教育の違いなどさまざまなものがある。「所得・地域格差」に関しては、私のようなエンジニアに何が出来るわけでもないので口を挟むつもりはないが、「年齢・教育」に関しては言いたいことが山ほどある。 この手の議論の際に「デジタルデバイドを解消するために人々の情報リタラシーを高めよう」などという発言を聞くことがあるが、私はこの「○○リタラシー」という言葉が大嫌いだ。もともと「リタラシーがない」とは「文盲である」という

  • Life is beautiful: ソフトウェアの仕様書は料理のレシピに似ている

    先日、経済産業省向けの仕事をしている知り合いと事をしたのだが、彼によると経済産業省の今の悩みは、「IT産業の階層化の弊害によっておこる下流のプログラマーの収入の低下」だそうである。「プライムベンダー」と呼ばれる「上流コンサルタント」たちがインドや中国にも仕事を発注できることを理由に、激しく値切り始めたために、今やわずか一人月30万円というケースもあるという。 こんな話を聞くと当に悲しくなる。まず第一に「プログラムを書く」という仕事は簡単な仕事ではない。数学的な頭を持っていないとかなり辛いし、基礎がしっかりと出来ていないとろくなソフトウェアは作れない。物価の安いインドや中国なら許せるが、米国よりも生活費の高い日で一人月30万円とはあまりにも低すぎる。 「彼らは下流のエンジニアで、詳細仕様書に従った通りのプログラムを書くだけの簡単な仕事をしているから給料が安い」という説明を聞いたことがあ

  • 色や大きさを後から変更できる AQUA風ボタンの作り方

    二日ほど前のブックマークの人気エントリーに入っていた、「AQUA風ボタンの作り方リンク集」を見てつくづく思ったのだが、Photoshopは奥が深く、同じような効果を作り出すのに何通りも方法があるのが興味深い。そこで、今日は、Photoshopにも関わらずあえて全てをベクターデータで書くという特殊な技法(知り合いのデザイナーから教わった技法)でAQUA風ボタンを描いてみた。 まず最初に、"Rounded Rectangle Tool"で適当な大きさの角の丸い四角を書く。角の丸みは、Radiusの値で変更できるが、この場合は16pxとした。 この時自動的に作られたレイヤーをダブルクリックして、レイヤースタイルのInner Glow属性をオンにする。Blend ModeはMultiplyで、Opacityは40%程度が適切、色は黒にする(黒にしておくと、後でメインの色を変更したときにここを変更し

  • Life is beautiful: Aクラスの人はAクラスの人を採用したがるが、Bクラスの人はCクラスの人を採用したがる

    連休のしめくくりは、DVD「The Incredibles」(日での題名 Mr.インクレディブル)の鑑賞。Pixar の映画は全て見たと思いこんでいたのだが、これだけを見ていなかったことに「スティーブ・ジョブズ・偶像復活」を読んでいて気が付いて以来、見たくて仕方がなかったのだ。 既に知っている人も多いかも知れないが、「The Incredibles」以前の Pixar の作品、「Toy Story」、「A Bug's Life」などは全て John Lasseter 自らが監督した作品。それを、あえて外部から Brad Bird を招き入れて作らせたのが 「The Incredibles」である。他の Pixar 作品と少し毛色が異なるのも納得できる。 「スティーブ・ジョブズ・偶像復活」を読んでいて、この映画を見たくなった理由は、Brad Bird をこの映画のために Pixar に招き

    semicolon
    semicolon 2005/11/28
  • Life is beautiful - スティーブ・ジョブスに学ぶプレゼンのスキル

    先月の「プレゼン専用、平置き液晶モニター」というエントリーに対しては沢山の人からフィードバックをいただいたのだが、そのほとんどがこの液晶モニターに対してではなく、私がなぜそんなデバイスが欲しいかの理由として挙げた、以下の文に対するものであった。 多くの人が勘違いをしているのだが、プレゼンの主役はパワポのスライドではなく、プレゼンをしている人である。社内の企画会議であれ、顧客に対するセールスであれ、一番強く印象付けるべきは、提案する企画や商品ではなく、プレゼンをする自分自身なのだ。もちろんプレゼンの中身も重要なのだが、当に重要な情報はどのみち文書で別途提出することになるので、プレゼンの段階で重要となるのは、とにかく自分を印象付け、「こいつの提案する企画に社運を賭けてみよう」、「こいつを見込んでこのテクノロジーを導入してみよう」などと思わせることである。やたらと文字ばかり並べたスライドを読

    semicolon
    semicolon 2005/10/15
  • Life is beautiful : ソウル(魂)のあるもの作り

    ソフトウェアエンジニアとしてのキャリアの大半をマイクロソフトで過ごした私であるが、一度だけ「アップルの文化」を肌で経験したことがある。アップル・ニュートンのチーフアーキテクトとして知られるスティーブ・キャップス(参照)としばらく一緒に働いた時のことだ。彼からは当に色々なことを学んだ。直感的なユーザーインターフェイスの大切さだとか、常に新しいものを作り出そうとする姿勢だとか、私の考え方に最も大きな影響を与えたトップ10人の一人である。 そのスティーブとたまたま「マイクロソフトとアップルのどこが違うか」という話題になった時に、彼が言った言葉が今でも心に残っている。 「マイクロソフトのプロダクツにはソウル(魂)が無い」 この言葉には当にまいってしまった。 私がマイクロソフトでOSの開発に関わっていた90年代の前半は、やはりアップルが最大のライバルで、いかにして相手よりも良いものを先に世の中に

    semicolon
    semicolon 2005/10/12
  • Life is beautiful: Ajaxの本質、「非同期メッセージ型ウェブ・アプリケーション」のススメ

    最近、「これからのウェブ・アプリケーションはAjaxだ」という声を良く聞く。ソフトウェアを生業としているエンジニアとしては、この手の「流行もの(hype)」に触れた時には、表面的なものに踊らされずに、その質を自分なりにしっかりと捕らえて消化・吸収して自分のものにしなければいけない。今までも、「オブジェクト指向」、「マルチ・ティアー・アーキテクチャー」、などの言葉が一人歩きするたびに、「これからは○○だ」とか「○○の時代は終わった」などと、過激なことを言って読者の目を引こうとだけするマスコミや企業のマーケティング戦略に数多くの人が踊らされてきた。 そんなノイズだらけのメッセージに混乱させられた結果、「Cではオブジェクト指向のプログラミングは出来ない」と信じているエンジニアがいまだに沢山いることは全く嘆かわしいことだ。「オブジェクト指向のプログラミング」は、設計姿勢・プログラミングスタイルに

    semicolon
    semicolon 2005/06/07
  • Life is beautiful: 日本語とオブジェクト指向

    先日、日経BPの出版局の方と話をする機会があったのだが、私がマイクロソフトでウィンドウズ95の開発に関わったことに触れた際、「ユーザーインターフェイスの設計において、日人であることで何か役に立ったことはありますか?」と聞かれた。日人であることがプラスになったとは思わないが、ふと思い出したことがある。当時、「日語はオブジェクト指向な言語だな」と思ったことである。 その当時(90年代初頭)、アップルの方が使い勝手に関しては一歩も二歩もマイクロソフトより進んでおり、そのためには、もともとゼロックスが提案しアップルが商品化した、「オブジェクト指向ユーザーインターフェイス」の考え方を、より推し進めるしかないという戦略で、ウィンドウズ95のユーザーインターフェイス(当時は Object-Oriented Shell と呼ばれていた)の開発をしていた。 「オブジェクト指向ユーザーインターフェイス」

    Life is beautiful: 日本語とオブジェクト指向
    semicolon
    semicolon 2005/06/04
  • 1