サッカーJ1鹿島で、1993年のJリーグ開幕時からクラブに携わるスタッフのひとりが7月末に定年退職を迎えた。事業部でチケット担当を務めてきた道免(どうめん)弘子さん(60)。選手から母親のように慕われてきた存在だ。 93年に派遣社員として、発足したばかりのファンクラブ入会申し込みの受け付けの仕事をしたのが鹿島との縁の始まりだ。翌年11月に正社員となり、以降はチケット業務を担当してきた。選手には家族などを試合に招待するたびに頼りにされた。 J開幕初年から優勝争いを繰り広げてきた鹿島のチケットは、90年代は入手困難。買い求める人がクラブハウスに長蛇の列を作るほどだった。そんな中でも、選手の急な要望に応えてきた。「ないとは言えない。ストレスをかけず、集中させてあげたいから」。家族や友人の前でプレーすることが、大きなモチベーションを与えると感じてきた。「人気のある子だけじゃなく、全員にちゃんと要望
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