「流線形」は鉄道を含む乗り物においては、もともとは空気抵抗を減らすためにデザインされたものであるが、1930年代には欧米で工業製品に多く取り入れられ隆盛を極めた。スピード感を強調するこのデザインは鉄道車両にも世界的に採り入れられ、日本の鉄道界も蒸気機関車から電車、気動車に至るまで「流線形ブーム」に沸いた。 今では新幹線などの超高速列車のみならず、一般的な新型車両の先頭部に流線形が採用されている。これらはもはや速度自慢を表す形態ではなく、スマートさを強調し「カッコいい」デザインという位置づけである。その発展と現在の位置を歴代の車両と共に振り返ってみたい。 世界を席巻した流線形 アメリカの鉄道がまだまだ全盛期だった1930~1940年代には、蒸気機関車やディーゼル動車に流線形スタイルを採り入れた奇抜な機関車が登場した。まさに流線形ブームの1935年に運行を開始したペンシルバニア鉄道GG1形電気
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