島村英紀が撮った北極圏の島・スピッツベルゲンの写真 1 : 世界最北の町ロングイアービエンを基地にしての海底地震観測・その1 私たちはスピッツベルゲン島を基地にして、2回、海底地震観測を行ったことがある。1回は1998年夏、もう1回は2002年の夏だった。 2002年の海底地震観測では、ノルウェー・ベルゲン大学の観測船『ホーコンモスビー』(497トン)と北海道大学から運んだ海底地震計を使って、海底地震観測を行った。 海底地震計は、ノルウェーの北方沖の北極海にある北緯78度のスピッツベルゲン島で準備して、そこから船に乗せて出港した。 このときの観測の目的は、二つの海域の地下構造の研究で、一つは、グリーンランドから南東方向に大西洋中央海嶺に向かって海底を這っている謎の海嶺、グリーンランド海嶺がいったい大陸起源なのか、海洋起源なのかを研究するためであった。 私たちは以前から大西洋が約6000万年
歴史[編集] スヴァールバル諸島は1596年にオランダ人探検家のウィレム・バレンツが発見した。17世紀前半、ヨーロッパ各国がスヴァールバル諸島での捕鯨権をめぐって抗争になった。その後デンマーク=ノルウェーとイギリスが領有権を主張したが、どちらも実効支配することはなく無主地のままであった。 炭鉱以前[編集] 19世紀にアドベント湾を訪れた人々は、主に観光目的だった。最初の旅行記は1807年に遡り、それ以来、小型船の所有者や船を借りた者たちが多く訪れている。1893年にはハンブルク・アメリカ航路の客船コロンビア(7600トン)がアドベント湾を訪れている。これは100人の乗客と17人編成のオーケストラを乗せた豪華な客船だった。ノルウェーの船主でスヴァールバールへの観光船を運航する者もあったが、外国籍の船の方が数は多かった。1896年、現在空港がある近くのHotellneset(ホテル岬の意)にホ
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