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ブックマーク / white-cake.hatenadiary.com (4)

  • 消えた女の子 - wHite_caKe

    私が子供の頃住んでいたのはたいそうな田舎だったのですが、その中でも我が家は更に辺鄙な場所にありました。 幼稚園に入るまで、妹と私はお互いだけが遊び相手でした。我が家の半径3km以内には、他に子供がいなかったからです。 そのせいでしょうか。 幼稚園に入ってすぐに私は、自分の対人スキルが同年代の子と比べて大幅に劣っていることに気付きました。 遊びの仲間に入れない。 たまに入れてもらってもどんくさくて、みんなをイライラさせてしまう。 遠いとおい昔のことなのに、入園当時にあったいろんな出来事を、私は今でも思い出せます。 それだけ毎日緊張して過ごしていたのでしょう。 自分が他の子供と上手く遊べないことに気付いた私は、自分の何がそれほどまでに駄目なのか、いっぱい考えるようになりました。 かなしくて苦しかったですが、ぎゃんぎゃん泣きながらお母さんに引きずられて幼稚園にやってくる子が他にいたりしたので、自

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    send 2013/07/29
  • ある種のドッペルゲンガーみたいな その1 - wHite_caKe

    これから昔むかしのお話をします。 まだブログツールなんてものを使っている人は見当たらなくて、テキストサイトが全盛だった時代の話。 あの時代の空気がまったくわからないひとには一部ぴんとこない箇所があるかもしれないですが、そのあたり基的にNO説明ですすめさせていただきます。わかるひとだけわかってください。 その頃、私もちっぽけな個人サイトを持っていました。メモ帳でHTMLぽちぽち打って作ったやつ。一日数十人の訪問者で大喜び、普段は数人くるかこないかの、さびれた場所。 それでもちょっとでもアクセス数が増えてほしくて、その道を模索したくて、時々自分のサイト名で検索かけて、 「どこかのサイトがうちを好意的に紹介してくれているところを発見したいなー」 なんてむなしい期待を募らせていたのですが。 ある日。 私は自分の期待とはまったく違うものを発見してしまったのでした。 当時。 サイト名で検索をかけると

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    send 2008/05/15
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  • 時折、世界は残酷で - wHite_caKe

    私がまだ、小学生の頃のことでした。 父のもとに、知らない女のひとから、電話がかかってきました。 「私の主人は末期の癌で、もうすぐ死にます」 「主人は、子どもの頃、シロイさん*1に良くして頂いたことを、よく懐かしがっていて」 「死ぬ前に一度、シロイさん*2にお会いしたいと」 父ネコヒコ(仮名)は神妙な顔で電話を切りました。 「お父さん、その友達に会いに行くの?」 「行かないよ。ちょっと遠すぎる」 そう言って父が挙げた地名は、確かに私たちの住まいからひどく遠い場所でした。 「それに……なんというか、それほど親しい友達ではなかったんだ、おれたちは。少なくともおれは、今電話を貰うまで、あいつのことを思い出しもしなかった。そう、思い出しもしなかったんだよ……」 それから父は、ぽつぽつと、思い出話を始めました。 「貧乏なやつだったんだよ。もちろん、おれたちの子どもの頃は日全体が貧乏で*3、全員似たり

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  • 被害者友の会 - wHite_caKe

    実家に帰省した私の眼前に、父が三冊のを並べ、こう言いました。 「我が図書館に出向き、面白そうなものを選び出してきてくれたのが、これらの書物だ。おれは既に三冊とも読み終えており、どれも甲乙つけ難い面白さだった。君も一冊読んでみてはどうかね?」 私は素直にその中から一冊のを手にとって読みました。 そして「うわ……この驚くほどつまらねえ!」という感想を持ったのです。 「このを面白いと評価するとは……父君の書物の好みもだいぶ変わったんじゃないのか? 彼の心にいかなる変化が起きたというのか」 読了した書物を前に私がそのように思い悩んでいると、にこにこしながら父が声をかけてきました。 「おっ、その様子だとどうやら読み終わったな。どうだった?」 どうしよう。正直な答えは父を傷つけることになるかもしれない。 「うーん、そうだな……まあまあかな」 私が曖昧な答えを返すと、父はこう言いました。 「

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    send 2006/04/04
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