東日本大震災で大きな被害に見舞われた東北の自治体で、弁護士資格をもつ人材を「任期付き職員」として採用する動きが広がっている。法律の専門家としての能力や経験を生かし、復興にともなう法的問題の解決や条例・規則の制定・改正などに力を貸してもらおうという狙いだ。 岩手県は2013年1月1日付けの辞令で、弁護士の菊池優太さん(30)を法務学事課の特命課長に任命。3年間の任期付き職員として、復旧・復興事業や東京電力への賠償請求に関する法的課題を中心に助言や指導をしてもらう。全国から応募があったなかで、前年の採用試験を経て、ただ1人採用された。 宮城県も同じタイミングで、弁護士資格をもった任期付き職員を1人採用し、法令を担当する私学文書課に配属した。人事課の担当者は、採用の理由について「震災を受けて法律が複雑にからむような問題も生じてきており、場合によっては裁判の可能性もあるので、弁護士資格をもった