今回、東北で津波の被害を受けた地域は、津波に対して巨大な防波堤を整備し、備えをしていました。しかし、約1100年前に宮城県沖で発生した、マグニチュード8以上と推定されている「貞観(じょうがん)地震」と同程度の巨大地震が発生し、多くの町が廃墟となってしまいました。いわば「1000年に一度」の災害が発生したわけです。 これまで公共工事では、「100年に一度の洪水に対応するため」とか、「いや、200年に一度の洪水に対応するための備えが必要だ」という議論もなされていました。 けれども、「洪水が絶対に発生しないようにする」とか「マグニチュード9の地震にも対応できるように施設を整備する」という発想そのものを見直さなければならない時期に来ているのではないでしょうか。 被害を受けた地域は「安全な場所」で復旧を 従来の発想の延長で今回の地震の復旧を進めていくと、「これまでの堤防は高さが10メートルだったから