東北新幹線全線開業。新青森駅を出発する東京行きの一番列車=12月4日午前、青森市の新青森駅(撮影・早坂洋祐)(写真:産経新聞) 昨年12月4日、東北新幹線の八戸〜新青森間が開通した。基本計画から38年かかっての全線開通に青森は沸き返ったが、その引き換えに並行在来線の東北本線がJR東日本から経営的に切り離された。圧倒的な経済効果や利便性をもたらす一方で、地域の足をどう守るのか。新幹線開通はそんな課題を地元に突きつけている。 東北本線の青森〜八戸間は東北新幹線の開通と同時に、JR東日本から経営分離され、青森県などによる第三セクター「青い森鉄道」が引き継いだ。青森駅での開業記念列車の出発式で、関格(いたる)社長は「県民の生活に密着し、頼りにされる鉄道を目指す」と力強くあいさつした。だが、待っていたのは厳しい現実だった。 開業から3日目、初の平日となった12月6日の朝、駅に入ってきたのは、JR