タグ

ブックマーク / geopoli.exblog.jp (265)

  • ローマ帝国の大戦略 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝からよく晴れて初夏の陽気でした。そろそろ梅雨でしょうか? さて、前回のエントリーに引き続きルトワックの紹介ですが、今回は同時に原著が復刊されることになった、彼の博士号論文を元にしたローマ帝国に関するです。 The Grand Strategy of the Roman Empire: From the First Century A.D. to the Third by Edward N. Luttwak 原題を直訳しますと、『ローマ帝国の大戦略:一世紀から三世紀まで』というシンプルなもので、内容も題名の通り、1世紀から3世紀までの300年間のローマ帝国の大戦略の違いを分析するというもの。 目次は大きく見ればかなりシンプルで、以下の通り。 === ▼推薦の言葉 ▼はじめに ▼イントロダクション ▼第1章:ユリウス=クラウディウス体制:オクタヴィアヌスからネロ時代までの

    ローマ帝国の大戦略 | 地政学を英国で学んだ
  • ルトワックの『クーデター入門』のメモ | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から快晴で気温も上がりました。まだ梅雨前なのでそれほど蒸さないのが救いです。 さて、色々と忙しくしておりましたらあっという間に更新が遅れておりましたが、来週の火曜日の夜に放送する特番(http://live.nicovideo.jp/gate/lv221061132)でのルトワックの『クーデター入門』の内容について、目次や気になったところなどをメモ代わりに先にここに書いておきます。 まず目次ですが、以下のようになっております。 ==== ▼まえがき ▼書に寄せて(S. E. フィナ―) ▼第1章:クーデターとは何か ー革命 ー内戦 ープロヌンシアミエント ―プッチ ―解放 ―民族解放戦争、反乱、そのほか ークーデターの定義 ▼第2章:クーデターはいつ可能か ●クーデターの前提条件 ーその①経済的後進性 ―その②政治的独立 ―その③有機的統一:分派的利益・地域的政治単位

    ルトワックの『クーデター入門』のメモ | 地政学を英国で学んだ
  • アジアインフラ投資銀行の創設は中国の失敗のあらわれ? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から寒くて小雨が降っており、昼過ぎには一瞬雪が。真冬に戻りました。 日経ビジネスオンラインに2回目の連載記事が掲載されました。ご興味のあるかたはぜひ。 さて、昨日の放送( http://www.nicovideo.jp/watch/1428581731)でもとりわけ反響の大きかったトピックの元記事を要約しましたのでご紹介します。 最近話題の、北京政府による「中国インフラ投資銀行」(AIIB)の創設ですが、アメリカで活躍している香港出身(?)の研究者によれば、これは逆にここ十年間にわたる中国の失策のあらわれであるという逆説的な見方です。 === ▼China Steps Back|NY Times http://www.nytimes.com/2015/04/06/opinion/china-steps-back.html 中国は一歩後退 ●北京政府が計画している、新しい多

    アジアインフラ投資銀行の創設は中国の失敗のあらわれ? | 地政学を英国で学んだ
  • アイデンティティで悩むシンガポールの「中国人」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から小雨で、気温もかなり低めです。今夜大雪になるとか。 さて、訳書のゲラ直しと確定申告が一段落したので、今日から格的にブログとメルマガを再開します。 その第一弾として、昨日の生放送(http://live.nicovideo.jp/gate/lv208514155)でも触れたトピックの元記事の要約を。 シンガポールに住む「華人」が、中国土から来た「中国人」とのアイデンティティの違いに戸惑いを見せているという興味深い内容です。 ==== シンガポールの中国人問題 By タッシュ・アウ ●19世紀に建立されたシンガポールのダウンタウンにあるシアン・ホッケン寺院は中国の旧正月を迎え、普段にも増して華美な様子となっている。 ●この時期は普段寺院などに行くこともない私のような人物でさえ、自分たちの伝統的な習慣を守るろうと努力するほどだ。 ●このようないかにも中国的な場所で問題を

    アイデンティティで悩むシンガポールの「中国人」 | 地政学を英国で学んだ
  • 日本のネットユーザーたちはISISを打ち負かしている? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はよく晴れましたが、夕方から曇り始めました。寒さは少し柔いだような。 さて、遅ればせながら、いわゆる「ISISクソコラグランプリ」案件について、海外で最初にネット上で評価した英文記事を要約してみたいと思います。 掲載されているのはアメリカのマイナーなニュースサイトなのですが、日のネットユーザーたちの勇気ある行動(?)を絶賛しております。 すでにネット上ではこの記事の一部が訳されているようですが、ここではちょっと長めにご紹介します。 この記事については今夜の生放送(http://live.nicovideo.jp/gate/lv205843016)でも詳しく解説してみたいと思っております。 === ISISのプロパガンダにたいする日のくだらない反応は、アメリカ政府が達成できなかったことを達成してしまった。 by E.A. ウェイス ISISは日から人質解放の身代金として2

    日本のネットユーザーたちはISISを打ち負かしている? | 地政学を英国で学んだ
  • メールチェックが仕事の効率を下げている | 地政学を英国で学んだ

    今日の大宮は快晴でした。気温もけっこう上がりました。 さて、ISISの日人人質問題について言及したいところでしたが、先々週の生放送で触れたトピックが興味深かったので、こちらを先に紹介させてください。 --- ▼オープンオフィスにしたら、仕事が<<非>>効率化・・・ /メール・チェックはほどほどに…| http://www.nicovideo.jp/watch/1421673908 --- 著者は私の母校の心理学の先生と学生です。テクノロジーがわれわれの生産性や効率というものにどれほど影響を与えているのかを教えてくれる好実験です。 この実験結果で最も重要なのは、人間はひとつのタスクから別のタスクへ切り替えるときに大きなエネルギーを必要とする、ということです。 現代では特にスマホなどの普及のおかげで人々はますます集中して考える時間を持てなくなっている ということなのですが、これは知的生産をす

    メールチェックが仕事の効率を下げている | 地政学を英国で学んだ
  • 中国の権力に屈し始めた西洋社会 | 地政学を英国で学んだ

    今日の目黒は快晴です。日が出てると寒さは少しやわらぎますね。 さて、新年最初の記事の紹介です。 中国英語の出版会社を経営していた人物による、北京政府の熾烈な検閲の経験が語られております。 === 中国の圧力に屈服すること By マーク・キット ●私は10年前に『これこそ中国』というを出版した。 ●その中で私は、自分が中国国内で築いた雑誌の出版ビジネスが、主に中国のメディアをコントロールする政府機関の圧力によってじわじわと破滅させられた様子を描いた。 ●このを出してくれることになった中国側の出版社は、この出版企画に興奮していた。が出れば、その内容は中国内の権力者たちを苛つかせることになるのは確実だった。 ●彼らは「われわれはスキャンダルが好きですし、これこそが出版にとっての最大の意義なんですよ」と言っていた。 ●ところが出版する最後の段階になり、北京政府側の担当部署に見を送ると

    中国の権力に屈し始めた西洋社会 | 地政学を英国で学んだ
  • イスラム聖戦士はジャンクフードがお好き | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はどんよりと曇っております。小雨もありましたがそれほど寒くはないですね。 さて、今週の番組(http://live.nicovideo.jp/gate/lv199750503)のほうでも少し触れたトピックですが、FTにISISの戦闘員たちのガキっぽい趣味や嗜好について紹介した記事がありましたので、その要約を。 今回は原文にはない写真による図説を多めに心がけました。 === 「イスラム国」の戦闘員たちは自分たちが軽蔑している西側諸国のお菓子やガジェットが好き by エリカ・ソロモン ●「イスラム国」の建国のためにシリアに続々と終結している外国の戦闘員たちは過去の復活を目指しているはずなのだが、自分たちが嫌う現代の西側諸国の菓子やガジェットへの好みは維持したままだ。 ●シリアの現地の人々はこのような戦闘員たちが、首切りや集団虐殺などを使って支配しようとする恐怖の中で生きなければな

    イスラム聖戦士はジャンクフードがお好き | 地政学を英国で学んだ
    shadow-toon
    shadow-toon 2014/12/04
    十字軍なのかなぁ
  • クルーグマンが「日本に謝罪せよ」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から曇りがちでして、時おり小雨が降ったりやんだり。意外と気温は高めです。 さて、少し出遅れましたが、毎度のクルーグマンの「日に謝罪せよ」という主旨の主張の要約です。 この記事はすでに日でも話題になっていて、いくつかのサイトでは部分的な要約がありますが、これは私の訳のバージョンということで。 クルーグマン自身はすでに何年も前から同じような主張をしておりますが、最新版ではこの主張がかなり明確ですね。現在は来日中で、安部首相にも面会したとか。 === 日への謝罪 by ポール・クルーグマン ●ほぼ20年にわたって、日は「注意を喚起する物語」でありつづけてきた。つまり先進国経済のやり方として「やってはいけない例」としての客観的な教訓をわれわれに見せ続けてきた。 ●結果的にいえば、日は台頭に失敗した超大国であった。いつの日か世界経済をハイテクで支配するように見えたが、その

    クルーグマンが「日本に謝罪せよ」 | 地政学を英国で学んだ
  • 問題なのは過激主義?それともイスラム教そのもの? | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝からよく晴れました。 昨日でミアシャイマーの『大国政治の悲劇』に関する訳出作業がすべて終わったのもつかの間、大学の授業の準備や次のの訳出作業などもありますので、常に仕事はありますね。 さて、先週の放送(http://ch.nicovideo.jp/strategy/live)でも少し触れた「イスラム教の土着性」についてのすぐれた論説記事がありましたので要約です。 これは最近HBOで放映されて大問題になった、以下のトーク番組でのイスラム教についてのコメントが炎上した件に関係するものです。 この時のゲストたちは、イスラム教側に批判的な側として右側に座っている二人(司会者のビル・マーとサム・ハリス)と、左側の寛容派である俳優のベン・アフレック、NYタイムス記者のニコラス・クリストフ、そして共和党元全国委員長を務めた経験を持つ黒人のマイケル・スティールたちの三人。 以下のように

    問題なのは過激主義?それともイスラム教そのもの? | 地政学を英国で学んだ
  • 呪いの政治学 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は梅雨明けということで暑かったわりにはあまり日が照りませんでした。 久々の更新ですが、次のの追い込みと番組の準備などに追われておりまして、なかなかブログのほうに時間をかけることができておりません。今週はなるべく毎日更新したいと考えているのですがどうなるやら。 さて、昨晩の番組のほうでも触れた、黒魔術(?)についての話題です。 ちなみに番組を見逃した方は、タイムシフト予約でもご覧になれますのでぜひ。 === 彼らは相手の最悪の事態を祈っている。これは悪いことなのだろうか? by エリザベス・マクアリスター ●ポルトガルのサッカーのスター選手であるクリスチアーノ・ロナウドは膝の腱炎に悩まされているが、これによってギリシャとの試合に出ることができなかった。そしてガーナの土着の聖職者であるナナ・クワク・ボンサムは、彼のケガの原因は自分のおかげだと宣言している。 ●ボンサムはガーナの

    呪いの政治学 | 地政学を英国で学んだ
    shadow-toon
    shadow-toon 2014/07/24
    霊的国防
  • あなたが仕事を嫌いな理由:社員の「燃え尽き」を防ぐには | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はよく晴れて、しかも真夏日でした。 目黒にある某幹部学校で学生さんたちの研究発表を聞いてきました。興味深いトピックばかりで、こちらも大変勉強になりました。 さて、久々に仕事関係の記事の要約です。これは「累積戦略と順次戦略」というCDの中でも触れた話題とかなり共通している部分がありました。 === あなたはなぜ仕事を嫌いなのか by トニー・シュワルツ&クリスティーン・ポラス ●われわれの働き方というのは機能不全に陥っている。職のある幸運な人でさえ、毎朝会社に行くのはあまり楽しいとは感じていないはずだ。 ●そして家につくまでには何もやる気が起きなくなっているのに、寝る前までメールに返信を書かなければならなかったりするのである。 ●このような経験は中間管理職だけでなく、段々と会社のトップの人たちにも見られるようになっている。 ●われわれはコンサル会社を経営しているが、ある企業のト

    あなたが仕事を嫌いな理由:社員の「燃え尽き」を防ぐには | 地政学を英国で学んだ
  • ルトワックによる米艦船カウペンスのニアミス事件分析 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝晴れておりましたが、午後に入ってから雲が出てきました。 さて、中国軍機が自衛隊機へ異常接近した事件が発生しましたが、これに関して参考になる米艦船カウペンスと中国軍の艦船のニアミス事件について、戦略家ルトワックが分析したものを要約します。 ちなみにこの記事は今年の最初にウォールストリートジャーナル紙に掲載されたものです。 === 中国のリスクある軍事冒険主義 byエドワード・ルトワック ●米国防省長官のチャック・ヘーゲルは、すでに大々的に報道されている、去年12月5日に発生した米艦船カウペンスと中国の軍艦とのニアミス事件――これは中国側が意図的に90メートル近くまで接近して行く手を妨げようとしたもの――があったことを認めた。 ●ちなみに90メートルというのは、船同士では衝突寸前の超危険な距離である。 ●この事件は明白な疑問を投げかけるものだ。その疑問とは、「中国側の指揮官は

    ルトワックによる米艦船カウペンスのニアミス事件分析 | 地政学を英国で学んだ
  • 南シナ海でのベトナムと中国の艦船衝突の背景 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はとくに午後よく晴れました。 とうとう中国とベトナムの船が南シナ海で衝突しました。その背景の一端を知るために、とりあえず拙訳ルトワックの『自滅する中国』から参考になりそうな部分を抜き出しておきます。 下の引用は第15章からです。 === すでに述べたように、中国の近隣諸国との問題は、(中国自身が経験した可能性のある)傲慢な発言や差し出がましい行為だけが原因ではないし、未解決の領土紛争に限られるものでもない。 このような問題は、むしろ中国の非常に急速な軍拡から発生したものであり、中国が持つ巨大な潜在力があらゆる方面でパワーバランスを乱しているから起こっているのだ。 国家が将来身につけるパワーというのは、お金の場合と同じで、割り引いて見積もられることはなく、逆に割り増しされて注目を浴びるものだ。 それゆえに、中国の軍拡そのものが、近隣諸国の独立にとっての脅威となるのだ これはベト

    南シナ海でのベトナムと中国の艦船衝突の背景 | 地政学を英国で学んだ
  • 孫崎享氏の講演を聞いた | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部はよく晴れまして、気温も上昇。春を越えてすっかり初夏の陽気かと思いました。 さて、戦略研究学会の年次大会に出席してきたのですが、孫崎享氏の特別基調講演を聞きましたので、それについて少し。 噂に聞いていた孫崎氏の講演ですが、まずタイトルは 「東アジアの安全保障を考える」 というものでして、氏の肩書は、 「東アジア共同体研究所所長、元外務省国際情報局長」 というものでした。 具体的な内容についてはすでにTwitter上で中継した通りなのですが、大きな流れとしては、まずは今回のオバマ訪日における記者会見での日メディアの報道の仕方が極めて恣意的なものであったという指摘からはじまりました。 次に米軍の高官が上院に対して「上陸作戦ができない」と明言していたことなどを指摘しつつ、そもそもの戦略の定義とはどういうものか、それに歴史的経緯から、日にとって領土問題が最優先の議題ではなかったこ

    孫崎享氏の講演を聞いた | 地政学を英国で学んだ
  • ルトワックの「日本復活案」? | 地政学を英国で学んだ

    今日の長良川は快晴でした。昼間は上着なしでもいいくらいでした。 ここ連日は色々なところに出張して忙しくしておりました。土曜日は学会の大会で司会をしまして、日曜日は幕張で生放送です。 そのような中で、数日前に面白い話を聞いてきましたので、そのネタについて少し。 エドワード・ルトワックと言えば、私が翻訳した『自滅する中国』以外にも、そろそろ出版される『エドワード・ルトワックの戦略論』でも有名な戦略家であることは、ブログをご覧の皆様でしたらご存知の通り。 この人、話を聞くと、ほぼ毎年のペースで来日しているようで、前回日に来たときに、このルトワックの講演を聞きに行ったある政府関係者の方に聞いた話。 この彼は、まさに『自滅する中国』で展開されている内容の話をこの時の講演会で聞いたらしいのですが、最後の質疑応答の時間に、以下のような質問を、ルトワック人にぶつけてみたそうです。 1,日がとるべき

    ルトワックの「日本復活案」? | 地政学を英国で学んだ
  • 「張子の虎」のオバマ政権は中国と戦争を起こす | 地政学を英国で学んだ

    今日の横須賀は朝から激しい雨だったのですが、午後遅くになってからスッキリ晴れてきました。まるで台風一過後みたいです。 さて、アメリカ歴史家であり、保守派としても有名な知識人である、ヴィクター・ディビス・ハンソンの「アジア・ピボット」批判がナショナル・レビュー誌のサイトに掲載されておりましたので、その要約を。 === 張子の虎は戦争を生む Byヴィクター・ディビス・ハンソン ●ルーズベルト政権は台頭する日を見据えて「アジアに軸足を移すこと」を警告するようなコメントを出したことがある。 ●この警告の気度を示すため、彼は1940年5月に第7艦隊の母港をサンディエゴからハワイの真珠湾に移している。ところがこれには艦隊の実質的な強化は伴っていなかった。 ●当時の太平洋艦隊の司令官であり、日海軍の専門家であったジェームス・リチャードソン提督は、このような向こう見ずな配備替えについては猛烈に反対

    「張子の虎」のオバマ政権は中国と戦争を起こす | 地政学を英国で学んだ
  • ロシアが感じる「恐怖感」 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から快晴です。これからどんどん気温が上がるようで、ようやく春が。 さて、ウクライナ情勢を考える上で参考になりそうな文章が、拙訳の『自滅する中国』の中にありましたので、その部分を抜書きしておきます。 ぜひ参考にしてください。 === 『自滅する中国』第三章より ●ロシアも他国の動機をロシア人にしかわからない考え方で常に理解しようとしている。 ●この典型的な例は、NATO(北太平洋条約機構)が冷戦後になってから、五つの元共産主義国家と旧ソ連のバルト三国の参加を認めることによって勢力を拡大した時のことだ。 ●アメリカにとってのNATO拡大は、これらの新しいが不安定な民主制国家を、最も迅速かつ安価に安定化するものであった。なぜならEUへの加盟手続きは、非常に時間のかかるものだったからだ。 ●このためアメリカは「ロシア自身もこのやり方に参加し、そこから利益を得ることができるはずだ」

    ロシアが感じる「恐怖感」 | 地政学を英国で学んだ
  • ミアシャイマーのウクライナ情勢分析 | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から微妙に曇っております。気温は春らしいですが、午後にはまた雨が降るとか。 さて、拙訳『大国政治の悲劇』や『なぜリーダーはウソをつくのか』の原著者であるシカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマーが、最近のウクライナ情勢について分析しておりましたのでその要約を。 結論としては、ブレジンスキーのような「フィンランド化」ですね。 === ウクライナ情勢の解釈の間違い By ジョン・ミアシャイマー ●オバマ大統領は、ロシアにたいして経済制裁を行ない、ウクライナの新政府にたいする支援を強化することを通じて、ロシアにたいして厳しい態度をとる決断をした。 ●これは大きな間違いである。なぜならこれは危機を発生させることになったのと全く同じの、誤ったロジックによって行われるものだからだ。危機は解決するよりも、さらなるトラブルへとつながることになるだろう。 ●ホワイトハウスやワシントン周辺で共有

    ミアシャイマーのウクライナ情勢分析 | 地政学を英国で学んだ
  • ウクライナ危機なのにロシア専門家が減っているアメリカ | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は朝から快晴です。相変わらず気温は低くて寒さがこたえますが・・・ さて、相変わらずウクライナ情勢についての報道が続いておりますが、そのウクライナ情勢を研究する人材についての興味深い記事がありましたので、いつものように要約を。 === アメリカの対外政策におけるロシア専門家の凋落 By ジェイソン・ホロウィッツ ●ジョージタウン大学のロシア学部長であるアンジェラ・ステント女史は、最近電話の応対に忙しい。 ●ステント女史をはじめとするロシア専門家たちの電話は、ウクライナ危機の勃発から鳴りっぱなしだ。「なんか同窓会みたいですよ。みんな復活してきたわけですから」 ●アメリカロシア専門家たちは、プーチン大統領がクリミアの支配を進めるにつれて再びメディアの脚光を浴び始めている。ところが同時に、これはアメリカの学者や実務家たちのロシアについての捉え方、そしてその捉え方を考える彼らの、質と

    ウクライナ危機なのにロシア専門家が減っているアメリカ | 地政学を英国で学んだ