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ブックマーク / science.srad.jp (488)

  • 無能な人は自身の無能さに気付けないため自信過剰になる傾向がある | スラド サイエンス

    1999年、学術誌「Journal of Personality and Social Psychology」で「ダニング=クルーガー効果」なるものが紹介された。これは、「無能な人には己の無能さを認識するに必要な高い知見が欠如しているため、己の無能さを認識することができない」というものである。そのため、無能な人はその無能さに悩まされたり、混乱したり、慎重になったりすることはなく、むしろ不相応な自信を持ってしまう傾向があるのだそうだ(Slashdot、Pacific Standard)。 これは机上の空論ではなく、実際に行われた実験で証明されているとのこと。その人物が持ち合わせている知識や技術が、文章力や感情知能、論理的推論、銃の安全管理、討論、金融知識など何であろうと、いずれにしても無能な人は大概にして自分の能力を過剰に評価してしまうという結果が得られているとのこと。

  • AutodeskがDNAの3Dプリンティング技術で癌細胞をハッキングするウイルスを開発中 | スラド サイエンス

    CADや3Dグラフィックスソフトで知られるAutodeskが、DNAを人工的に合成する「3D printing DNA」技術を用いて、癌細胞を「ハッキング」するウイルスを開発中らしい(WIRED)。 開発を行っているのは、Autodesk傘下の生命科学研究所「Pier 39」。ソフトウェア企業が開設した史上初の生命科学研究所だという。現在、癌の治療に用いられている薬剤は毒性が強い。そこで、個々の患者に高度にカスタマイズされた対応を行うことが究極の治療法だと考えているという。 同研究所に所属する生物学者のアンドリュー・ヘッセル氏は、すでに(DNAの)3Dプリンティングでのウイルスの作製に成功しているそうだ。「次は、デザインを変更して、癌を抑えるウイルスの作製に着手すればいいだけだ。癌細胞は壊れた細胞だ。これらのウイルスは、ひとつの癌細胞に感染し、ハックして乗っ取ると、そこから次々に癌細胞を乗

  • レゴ、グリーンピースの圧力に屈してシェル石油とのパートナーシップを解消 | スラド サイエンス

    石油会社「Shell」のロゴの入ったレゴブロックのセットは、世界中の小売店や26カ国のシェル石油のガソリンスタンドで販売されてきた。しかし、シェル石油の北極圏での石油採掘計画に反対する環境保護団体グリーンピースの抗議を受け、レゴはシェル石油とのパートナーシップを解消するという(Slashdot、Guardian、ウォール・ストリート・ジャーナル)。 北極圏における石油採掘に対する抗議キャンペーンの一環として、グルーンピースが制作した動画では、北極に見立てて組み立てられた120キログラム分のレゴブロックが油まみれになり沈んでいく様子が映されている。動画の最後には、「SHELLとのパートナーシップを終わらせるようLEGOに伝えて」というメッセージが添えられており、嘆願書にサインアップできるページにワンクリックでジャンプできるようになっている。 レゴのCEO、Jørgen Vig Knudsto

  • NASAとSpaceWorks、宇宙飛行士をコールドスリープさせて火星に送る技術を研究中 | スラド サイエンス

    NASAと米SpaceWorksが、宇宙飛行士をコールドスリープさせる技術を研究しているそうだ。地球から火星に向かうには数ヶ月の時間がかかるが、その間人工的な冬眠状態にすることで代謝を低下させることで、長期の宇宙旅行を効率的に行わせる、という仕組みらしい(CNN)。 数ヶ月の間ずっと冬眠状態にするのではなく、数日~数週間の冬眠を繰り替えさせるという方法も想定されるということだ。仮死状態ではないので、比較的実現可能性も低くはなさそうな気がする。

  • イーロン・マスク曰く、人類の保険として100万人規模の火星移住が必要 | スラド サイエンス

    SpaceXのイーロン・マスクCEOは、人類生存の保険として100万人規模で火星に移住し、持続可能で遺伝的に多様な文明を形成する必要があると考えているという(Aeonの記事、 家/.)。 火星では人々が必要とする物質が容易には手に入らず、産業基盤を一から築く必要があるため、100万人でも足りないぐらいだという。火星への大規模な移住を行うには宇宙船の再利用に関する問題を解決する必要があるものの、この問題が解決すれば100年以内に実現可能だと考えているそうだ。しかし、100万人が移住するには、火星で誕生する人を考慮しなければ100人乗りの宇宙船を使用しても1万回の往復が必要となる。さらに、火星での活動を支えるためには大量の貨物を送る必要もある。そのため、巨大な宇宙船を使用しても10万往復以上が必要になると見込んでいるとのことだ。

  • 宗教によって地球外生命体の受け止め方が異なる | スラド サイエンス

    地球外生命体が実際に存在していることが発見された場合、私達はその事実をどう受け止めることになるのだろうか。David Weintraub氏の著書「Religion and Extraterrestrial Life」によれば、地球外生命体に対する人々の反応は、信仰する宗教の教えに大きく影響されることになるとのこと(Slashdot、Vanderbilt University)。 地球外生命体が発見された場合、事実を最もすんなり受け止めることができるのはアジアで信仰されている宗教だろうとのこと。ヒンズー教においては、宇宙人は人間の生まれ変わりであり、また人間は宇宙人の生まれ変わりであると考えられているという。また、仏教の宇宙観においては、生物の生きる世界が体系内に数千も含まれていると考えられているからだそうだ。 イスラム教のコーランには、地球以外の天体にも霊的な存在がいることを示唆するような

  • 科学者は「有能だが信用できない」と見られている? | スラド サイエンス

    PNASに掲載されているプリンストン大学の研究報告書によれば、科学者が世間に自分の研究を認めてもらいたければ、「思いやりのある」人間であるように見えたほうが良いとのこと(Slashdot、Woodrow Wilson School公式サイト)。 アメリカ人は科学者を有能であると見なしているものの、完全には信用しきれないと考えているようだ。オンライン調査の結果、「科学者は思いやりに欠け、友好的ではない」と見られているいることが分かったという。特に、研究助成金を得ようとしている研究者に対しては用心深くなり、説得力のある課題を押し進めようとする科学者を信用できないと考えるようだ。 研究を率いたSusan Fiske氏は、科学者は「世間から尊敬はされているものの、信用されているとは限らない。しかし、人類や環境に対して関心を示すことで、このギャップを埋めることができる」としている。世間を説得しようと

  • インドの火星探査機が低予算で成功した理由とは | スラド サイエンス

    インドの火星探査機、Mangalyaan(ヒンディー語で火星・クラフト)は、7400万ドルという低予算でアジア初の火星への到着を実現した。これは宇宙探査のための新しいパラダイムを示唆するものになるかもしれないという(NBC、家/.)。 Mangalyaanの打ち上げや運用に要した費用は、NASAの火星探査機であるMavenで掛かった6710万ドルの約9分の1に過ぎない。その理由の1つに、Mavenでは科学的使命のために実績のある米国の技術が使用されているいっぽう、Mangalyaanでは「初めて使う技術」が多い点が挙げられている。技術的なテストもその目的に含まれているからだ。また重量が軽いため、積載量の少ないインド製ロケットでも打ち上げが可能だった点もある。

  • 火星から地球に帰ってくることは可能か | スラド サイエンス

    火星は太陽系の中では有人宇宙飛行ができる可能性がもっとも高い惑星だ。すでに人を火星に運ぶためのプロジェクトもいくつか進められている。しかし、その途中でなんらかのトラブルが発生する可能性もある。そういった場合、彼らが地球に戻ることは可能なのだろうか(Slashdot)。 現在もっとも注目を浴びている火星移民プロジェクトとして、マーズ・ワン財団によるプロジェクトがある。これは、火星への「片道切符」を用意するというもので、このプロジェクトでは火星からの帰還については考えられていない。しかしmediumにてサイエンスライターのEthan Siegel氏が執筆しているAsk Ethan #55によると、火星から地球に帰還できるようにすることは、「必要不可欠だ」という。 記事ではロケットの打ち上げや移動期間、糧事情、放射線量の問題、期間に必要なエネルギーといった現時点で考えられる物理学と技術上の限界

  • バナナの皮の滑りやすさを調べた北里大学のグループ、イグ・ノーベル賞を授賞 | スラド サイエンス

    「バナナの皮の滑りやすさ」を調べた北里大学の研究グループが、イグノーベル物理学賞を受賞したそうだ(NHKニュース)。日人のイグ・ノーベル賞受賞は8年連続になるという。 なお、授賞式の様子やほかの受賞者などについてはTogetterの「2014年イグノーベル賞授賞式実況」が詳しいが、授賞式にはドクター中松氏も登壇していた模様。また、公式Webサイトにも受賞者一覧が掲載されている。

  • 楽観的な未来を示すSF作品を作る動き | スラド サイエンス

    以前にSF作家のニール・スティーヴンスンが、人類が発明したものが事故を起こしたり、敵対的な宇宙人が攻撃してくるというような、いわゆるディストピア的な内容のSF作品が増えたとし、SFは人々を奮い立たせる方法を忘れ、悲観的な内容になっていると憂慮するコメントを出した(過去記事)。そして今、科学者や技術者、そしてニール・スティーヴンスン人を含むSF作家たちがそれを変えようと動き出しているという(BBC、Slashdot)。 アリゾナ州立大学が構築したProject Hieroglyphは、SFが人類に対してより楽観的かつ正確なアイデアハブになることを目指している。例えば、スティーヴンスンは物語を書くために、20kmの巨大なタワーが建造可能かを知りたがっていた。これに対し構造安定性とコンピュータ力学の専門家は建設するのに必要な課題や対応手段について回答しているという。他の著者も同様にさまざまな質

  • オゾン層破壊物質「四塩化炭素」はまだ放出され続けている | スラド サイエンス

    オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書が採択されて以来、それまでドライクリーニングや消火剤などの用途に使われてきた「四塩化炭素」の製造および消費が規制されてきた。だが、NASAゴダード宇宙飛行センターの新たな報告書によれば、オゾン層を破壊する四塩化炭素が今も尚、地球の大気中に大量放出されているとのこと(AGU、Slashdot)。 モントリオール議定書の関係者らの報告によれば、2007年から2012年までの間、新たな四塩化炭素の放出はなかったとされてきた。だが今回発表されたNASAのレポートによれば、世界中で年間平均3万9千トンの四塩化炭素 が放出されていることが明らかにされた。これは、モントリオール議定書発効前のピーク時のおよそ30%程度であるという。 今回明らかとなった四塩化炭素の放出源について、「何らかの商業的漏出や汚染用地からの大量放出、または未知の四塩化炭素放出源が存

  • 人工知能の次のターゲットは「人狼」 | スラド サイエンス

    チェス・将棋人工知能が次々と人間を打ち破る中、専門化の間では、次のターゲットとして騙し合いゲーム「人狼(汝は人狼なりや?)」が想定されているようである(研究ページ、解説スライド、Togetterまとめ)。 「人狼」は、村人と村人に化けた人狼に扮したプレイヤー同士が、他のプレイヤーとの会話からその正体を探り、相手チームを打ち破る、といういわゆる騙し合いや駆け引きを中心とした人気ゲームゲームのタイプとしては、ゲーム内の情報がプレイヤーに開示されない不完全情報ゲームにあたる。言葉や行動から相手の思考を読んだり、信頼を獲得したりといった点が重要な要素となる、いわゆるAIが苦手な分野である。 まだ研究は始まったばかりで、現状では人工知能のためのプロトコルを整備している状態のようだが、このプロトコルを利用した人狼エージェントを募集しての大会も予定されているようなので、腕に覚えがある人や人工知能に興

  • 「人種の違いによって経済的・社会的行動が異なる」と主張する書籍、猛抗議を受ける | スラド サイエンス

    今年5月、米国で「異なる人種は生物学上も異なるもので、人種の違いは異なる進化を生み、人種が異なると経済的・社会的な振る舞いも異なる」という主張をする書籍「A Troublesome Inheritance(やっかいな遺産)」が出版された。この書籍内では著名な遺伝学者らの研究が引用されており、そのうえでたとえば「アフリカアメリカ人は白人よりも暴力的である」「中国人はビジネスに長けている」などといった主張がされているのだが、これに対し集団遺伝学者らが批判声明を出すという事態になっている(Science、Slashdot)。 先月19日、HuffingtonPostにて「Five Critics Say You Shouldn't Read This “Dangerous Book”」(5人の評論家曰く、この『危険な』を読んではならない)という批判記事が掲載されたが、これだけに留まらず、集団

  • シベリアで発見された巨大な穴、その原因はメタン? | スラド サイエンス

    7月中旬にロシアのヤマル半島で発見された巨大クレーターについて、ロシアの研究チームが「永久凍土層の融解に伴うメタンの放出が原因だろう」と述べている(Nature News)。 ロシアの考古学者Andrei Plekhanov氏によると、クレーターの底部付近のガス組成を分析した結果、メタンが9.6%を占めていたそうだ.2012・2013年のヤマル半島では例年より平均約5度も気温が高く、メタンを取り込んでいた地下の氷が解け、その結果クレーターができたと主張している。 一方、長期的な地球温暖化が原因で地下に集まっていたメタンが爆発した可能性も検討されている。ドイツの地球化学者Hans-Wolfgang Hubbertenによると、地下20mにある永久凍土層の温度はこの20年間で約2度上昇したという。 シベリアの永久凍土層ではしばしばガスハイドレートとしてメタンが取り込まれるが,通常は地下100m

  • NASAの次期火星探査ロボットには酸素生成装置が搭載される予定 | スラド サイエンス

    NASAが2020年に打ち上げを予定している火星探査車には、二酸化炭素から酸素を作る装置が搭載される予定だそうだ(AFPBBニュース)。 これは、火星への有人探査を実現するための動きの1つのようだ。火星の大気は大部分が二酸化炭素とされており、これから酸素を生み出すことができれば、火星に人類が居住する大きな助けとなる。

  • 大気汚染物質を手がかりに地球外生命体を探索する試み | スラド サイエンス

    ストーリー by hylom 2014年07月24日 17時46分 地球外生命体が人間と同様の活動をしているとは限らないのでは 部門より ハーバード・スミソニアン天体物理学センターが地球外知的生命体を探索する新たなアプローチとして、特定の汚染物質を検出する方法を発表したそうだ(Slashdot、Network World)。 もし知的生命体が地球圏外のどこかにいるならば、地球に住む人間と同様に大気を汚染しているに違いないという考えが元になっており、宇宙で大気汚染物質を検出できれば、地球外知的生命体を探し出すことができるだろう、というアイデア。 実際、2018年に打ち上げが予定されているハッブル宇宙望遠鏡の後継機「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」では、テトラフルオロメタン(CF4)およびトリクロロフルオロメタン(CFC11)の2種類のフロンを検出することが可能だという。これらは人工的に発生さ

  • 社会主義に長く晒されていると、ズルするようになるという実験結果 | スラド サイエンス

    ミュンヘン大学とデューク大学の研究チームが合同で行った実験によれば、社会主義はモラルにゆるみを生じさせることが分かったとのこと(Economist、Slashdot)。 実験では、被験者としてベルリンの住民から任意に250人を選出し、サイコロを40回振らせて、数字の合計が最も大きい人を勝者とするゲームを行った。このゲームでは、サイコロを降る前にサイコロの上面か下面どちらかを選び、振ったあとに指定した面の数字が自分の得点となる。しかし、どちらの面を選んだのかを申告する必要はなく、たとえば、当は上面の数を選んでいたのに数の大きい下面の数を記録するという「ズル」が可能となっていた。正直に申告を行えば、4や5、6と同様の頻度で1、2、3という数が記録されるはずだが、実験の結果、被験者の中にはズルしたのではないかと疑わしくなるほど大きな数ばかりを記録する人がいたという。 ゲームの終了後、被験者らに

  • 米国で企業による小惑星採掘を推進する「アステロイド法」が提出される | スラド サイエンス

    企業による小惑星採掘の計画がニュースとなる昨今だが、米国では7月10日、米企業が小惑星の資源を採掘した際にその財産権を保護する法案、通称「アステロイド法」が超党派の議員によって提出されたという(Response、Slashdot)。 この法案は正式名称「American Space Technology for Exploring Resource Opportunities in Deep Space Act of 2014」の頭文字「ASTEROIDS」から通称「アステロイド法」と呼ばれるもので、「小惑星から採掘した資源は採掘者の所有物であること」「米国企業が有害な干渉なしにその事業を行うことができること」「大統領に小惑星資源の商業開発を容易にするよう命じること」の3項目から構成されている。米国も批准する宇宙条約では、天体の領有は禁止しているものの採掘した資源の保有までは禁じておらず、

  • 居住可能な惑星「グリーゼ 581d」は黒点の見間違い? | スラド サイエンス

    ハビタブルゾーン内に複数のスーパーアースが存在するとして一時注目を集めた惑星系「グリーゼ581」だが、これらのうち2つの系外惑星は存在しないとの研究結果が発表された(論文アブストラクト、 ナショナルジオグラフィックニュースの記事、 AFPBB Newsの記事、 ペンシルベニア州立大学のニュース記事)。 グリーゼ581は太陽系から20.4光年の距離にある赤色矮星。これまでグリーゼ581c、グリーゼ581d、グリーゼ581gの3つがハビタブルゾーン内に存在する可能性があると考えられていた。しかし、グリーゼ581cには可能性は残るものの恒星に近過ぎるだろうとの見方もあり、グリーゼ581gは存在自体が疑問視されていた。今回、米ペンシルベニア州立大学などの研究チームは、恒星の黒点の影響を計算に入れるとグリーゼ581dとグリーゼ581gが存在しないという結論に達したという(phason氏の日記が詳しい