われわれは社会改善への意思を持っている。高潔な動機というのではなく、自分の都合としても、世の中が良くなってくれたほうがありがたいからである。では社会改善への意思が人類普遍のものかというと難しく、ロシア人にはなさそうだし、中東の国家でもあまりありそうにない。独裁的な政治を受け入れる国民性の問題もあるだろう。民主的な国家では、支配者と人民が阿吽の呼吸というか、支配者側も批判を甘んじて受けるようなところがあるが、独裁者はそうではないし、批判されれば粛清して終わりである。ロシア人の冷血さの原因はよくわからないが、なぜか共存共栄という発想が弱いようだ。DNAがそうなのか、ロシアという広すぎる大地がそうさせるのか、そこは不明である。プーチン個人が独裁気質だというのもあろうが、それを受け入れてしまうロシア人の性質の問題でもありそうだ。利他的な行動で社会を改善し、それがいずれは巡ってきて自分のためにもなる