東京電力が福島第一原発の視察者に、放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。専門家からは「処理水の海洋放出に向けた印象操作と言われても仕方ない」と批判が出ている。(山川剛史) 「処理水を測ってみますが、メーターは振れません」。処理水のサンプルに線量計を当てて説明する東京電力の担当者(一部モザイク処理)=福島県大熊町の福島第一原発で
東京電力が福島第一原発の視察者に、放射性物質のトリチウムが検知できないうえに、セシウムについても高濃度でないと反応しない線量計を使い処理水の安全性を強調する宣伝を繰り返していることが本紙の取材で分かった。専門家からは「処理水の海洋放出に向けた印象操作と言われても仕方ない」と批判が出ている。(山川剛史) 「処理水を測ってみますが、メーターは振れません」。処理水のサンプルに線量計を当てて説明する東京電力の担当者(一部モザイク処理)=福島県大熊町の福島第一原発で
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は4日、大会関係者全員に課している新型コロナウイルスのPCR検査で、陽性が確認されながら個人が特定できていないケースが8件あると発表した。コロナ対策で関係者と外部を遮断する「バブル(泡)方式」にさまざまな「穴」が指摘される中、組織委が繰り返し強調する「強靱な検査体制」でもほころびが浮かんだ。(小嶋麻友美) 唾液を採取する検査は職務に応じて、毎日や4日に1回などの頻度で実施が義務付けられている。原則として、各自は競技会場などで検体を提出するとともに、登録サイトで検体の11桁のバーコード番号、個人の7桁のアクレディテーション(参加資格証)番号と生年月日を入力する。
無断で外出したが「抜け出してはいない」、食品ロスは生じているが、「廃棄ではない」―。東京五輪で運営の不備を追求する報道陣に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が理解しづらい解釈や定義を用いて反論を繰り返している。インターネットでは論点をずらして逃げる、安倍晋三前首相の「ご飯論法」と重ね合わせる声も。批判を正面から受け止めず、自己防衛に終始する姿勢に国民の不安や疑問は置いてきぼりだ。(原田遼) 組織委員会は大会中、毎日午前11時に定例会見を実施し、広報担当の高谷正哲スポークスパーソンが報道陣の質問に答える。しかし、新型コロナウイルス対策や運営の不備についての質問には「現在、把握できていない」と回答を保留するケースも目立つ。その場合、数時間後に各社の担当者に高谷氏からメールで回答などが配信されるが、質問に答えていないと報道陣に不評だ。
東京五輪で日本選手の活躍が続く中、都内での新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京の新規感染者は31日、4058人で最多を更新。都は感染者の半数を占める20代や30代、重症者が多い50代を中心に外出自粛などの呼び掛けを強める。しかし、週末夜の新橋ではサラリーマンらが五輪中継を見ながらグラスにビールを注ぎ、休日の原宿は大勢の若者たちでにぎわっていた。(米田怜央、山口登史)
菅義偉首相は28日、新型コロナウイルスの全国的な感染急拡大を受けて、西村康稔経済再生担当相、田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と行った協議内容について、記者団に説明しなかった。この日は、東京都で確認された新規感染者が初めて3000人を超えたが、官邸側は「本日はお答えする内容がない」(首相秘書官)として、首相の取材対応を拒否した。
28日にテニスの男子シングルス3回戦に勝利した世界ランキング2位のダニル・メドベージェフ(ROC)が試合中、暑さに耐えかねて審判に「試合は終えられるが死ぬかもしれない。死んだら責任を取れるのか」と詰め寄る場面があった。AP通信が伝えた。膝に手を当てて前かがみになったり、メディカルタイムアウトを取ったりもした。
東京都の小池百合子知事は28日、都庁で報道陣の取材に応じ、新型コロナウイルスの新規感染者数が27日に過去最多の2848人となり、増加傾向に歯止めがかからないことについて「ワクチンを、ぜひ若い方も打っていただきたい」と接種を呼び掛けた。 小池知事は、ワクチンを受けた高齢者が感染し重症になる割合が大幅に低下していることに言及した上で、「逆にワクチンを受けていないけれど、重症、中等症になる若い世代が増えている」と指摘。「若い方々の行動パターンが、鍵を握っている。自分がよければではなくて、結果として人にうつすと、医療体制が逼迫(ひっぱく)する。去年の夏も、年末も、お正月も、ゴールデンウィークもなく、ずーっと頑張っている医療従事者のことも考えていただきたい」と協力を訴えた。 医療体制にかかっている負荷についての認識については「基本的に、3つの柱でやっている。自宅、ホテルなどの宿泊療養施設、そして病院
新型コロナウイルス緊急事態宣言下での東京五輪開幕まで1週間を切った。東京都では17日まで4日連続で新規感染者が1000人を超えるなど、感染状況は明らかに悪化傾向にあり、大会の中止を求める世論は根強い。だが政府には、状況次第で中止を検討する考えは既になく、このまま開幕を迎える方針だ。 菅義偉首相は16日、政府の東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で「安全安心の大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組んでほしい」と話した。17日の読売テレビ番組では「たとえ無観客でも、感動を世界に届ける。難局を乗り越えられると発信することに意義がある」と強調した。 15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫。中止はない」と意に介さなかっ
新型コロナウイルスの感染状況を分析し、厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」は14日、新規感染者数が1000人を超えた東京都について「感染拡大の速度はさらに加速する」との分析をまとめた。12日に発令された緊急事態宣言の効果が出るのは早くても2週間後とされ、50代以下を中心に入院者数の増加傾向は継続するという。 提出された資料によると、首都圏1都3県の陽性者のうち、デルタ株(インド株)に含まれるL452R変異の割合は4割を超えた。座長の脇田隆字(たかじ)・国立感染症研究所長は「デルタ株の増加はしばらく続く可能性が高い」と予測した。 脇田氏は「なるべく外出機会を減らし、五輪は家族やいつも一緒にいる少人数でテレビ観戦してほしい」と呼び掛けた。報道機関には、不特定多数が集まるスポーツバーや街頭での応援の取材に「慎重な検討」を求めた。
鎌倉市が2018年の憲法記念日の講演会で憲法学者の木村草太氏の講師起用を拒否した問題で、同市が講演会の前に、木村氏の起用を提案した実行委員会に事実と異なる説明をして主催者から外していたことが分かった。市は「担当者が事実誤認していた。虚偽という表現も当てはまるかもしれない。申し訳なかった」と話した。識者は、誰が主催者かは講師を決める上で重要だとし、市の説明を問題視している。(石原真樹) 講演会を含む平和事業の主催は17年までは市と公募で選ばれた市民でつくる実行委だった。しかし実行委の議事録によると、実行委が提案した木村氏の起用について、市側が憲法学者であることを理由に拒否した後に開かれた18年3月の会議で、市担当者は「共催基準が変わった」とし、実行委を主催者でなく「企画・運営」にすると報告した。「活動のあり方は全く変わらない」とも説明し、委員の了承を得た。 しかし今年3月、市文化人権課(4月
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