不良然とした少年が「YOYO(ヨーヨー)!」。いかつい男性的な表現手段と見られがちだった「ラップ」の担い手に、最近、女性の姿が目立っている。アイドル文化とも融合し、ゆるくて、シュールで、内省的で、多様なラップを繰り出している。 1970年代、ニューヨークの路上で生まれたヒップホップ。ビートにリズミカルに言葉を乗せる、ヒップホップ特有の歌唱表現がラップだ。 日本に伝わったのは80年代で、90年代に「日本語ラップ」として定着した。ダボダボの服、頭にバンダナを巻き、ブリンブリン(アクセサリー)を提げた少年たち。マイクを握って発するのは、社会批判やセルフボースティング(自己自慢)。だが近年、そんなラッパーのイメージを覆すガールズラッパーの登場が目を引く。 ここ数年、音楽フェスで引っ張りだこなのが、ボーカルのコムアイ(23)ら3人組ユニット「水曜日のカンパネラ」だ。現役の慶応大生でもあるコムアイはも