私が大学に入学した1977年に駒場で開講された「国際関係論」において、公文俊平先生はポランニーの『大転換』をもとに、近代産業社会は19世紀システムから20世紀システムへ転換し、さらに21世紀システムに転換しようとしているという壮大な構図を示された。その内容はすぐに『転換期の世界』という小著として公刊されたが、20世紀システムというコンセプトはやがて橋本寿朗氏を中心とする東大社会科学研究所の研究プロジェクト『20世紀システム』全6巻に結実していくことになる。 一方この頃、公文先生は近代日本の社会変化の在り方についても、深田祐介氏や山本七平氏の15年周期説をもとに4つの15年期からなる60年周期説を提起されたが、これが深められたのは1998年に刊行された『2005年日本浮上 長期波動で読む再生のダイナミズム』においてである。 私自身は1983年に旧労働省に入省して以来、アカデミズムとは縁遠くな