たしか5・6年前頃からだったと思うのですが、憲法改正論議が盛んになりました。だからぼくは、<葉巻のけむり>でもいろいろと取り上げました。 プライムニュースで憲法問題が対談シリーズで報道されると、それを文字起こしして<葉巻のけむり>に載せました。そうした流れの中で、大日本帝国憲法を読む必要を感じたのです。 古い国ではその国の慣わしは不文律とし流布されており、特に文章化したものは必要ないわけで、だから文字化された憲法いわゆる憲法典は、例えば英国のようになくてもいいのです。 我が国では、古くは聖徳太子が作った17条憲法があります。大政奉還時に出された天皇が神に誓った五箇条の御誓文も立派な憲法典と言えるでしょう。だから英国よりはるかに古い日本でも憲法典を持つ必要はなかったにもかかわらず、大日本帝国憲法が作られたのには理由がありました。 国体を整える方策を探るために西欧に向かった伊藤博文は、ビスマル