「花」には、「花をたてる」「花をいれる」「花をいける」という三つの概念があります。 第3回では、三つ目の「花をいける」ことについて、川瀬さんに教えて頂きました。 花を生けることの本来の意味は、切り取った自然の草木花の生気を「生かす」こと。「たてる」も「いれる」も、広い意味では生けることであり、「いれる」と「いける」にも、明確な違いはありませんでした。それが「いける花」に一定の法式が生まれ、建築様式の変化にともない、江戸時代に、「流派いけばな」へ発展しました。今日、私たちが認識している、人為的で、造形的な「いけばな」はその流れにあるものです。 ただ、自然の摂理では、一様に適用出来る法則など無く、自然の花そのものに倣うことこそが大原則であり、花を生けることの本質も、人間が自然を敬い、深く一体化し、「花が人」で、「人が花」であるという関係性にあるものなのです。 木下真理子(書家) 「心眼」で草木