かの名著『宇宙世紀の政治経済学』(2005年)の改訂増補の登場である。しかも今日のアベノミクスの評価まで丁寧に補強されてて、弾幕がやたら濃い仕上がりだ。前著を出されたときは、このブログの前のブログにたしか絶賛のコメントを書いたが今回もそうだ。宇宙世紀という架空の歴史を、現実の日本や世界の政治経済を考える参照軸としてみる。しかも適度なユーモアを忘れずに。という斬新な手法は今回も健在である。実にガンダム三部作の世界は豊潤であり、また多根さんの批評眼もあいかわらずだ。 いまの第二次安倍政権で、安倍首相を「死ななかったガルマ」にたとえ、そして麻生副総理をシャアにやはりたとえる、その見立ても面白い。ジーク、ジオン。ガンダム好きだけでなく、日本と世界の歴史や政治経済に興味をもつ人はぜひ読まれよ。 ガンダムがわかれば世界がわかる (宝島社新書) 作者: 多根清史出版社/メーカー: 宝島社発売日: 201