14歳のエリ子と1つ年下の弟ダイゴは、ある日突然、パラレルワールドに迷い込んでしまう──。芥川賞作家・藤野千夜の小説を原作とする本作は、ジャイアンツの高橋由伸選手がちょっとだけ太っているとか、仲違いしたはずの友だちと仲直りしていたとか、元の世界と微妙に異なる世界に迷い込んでしまった姉弟の姿を描いたファンタジー映画だ。 迷い込んだ先は、家も友だちもほとんどそのままだけど、両親だけいないパラレルワールド。元の世界に戻ろうと姉弟は奮戦するも、元の世界との唯一のつながりは、ダイゴが大事にしていた高橋由伸選手のテレホンカードのみ。なぜか、このカードで電話をかけると元の世界の母親と話すことができるのだが、残り度数はあとわずか。はたして2人は無事に戻れるのか? そんな、おかしくも、せつない映画で、エリ子を演じているのが多部未華子さんだ。昨年主演した『HINOKIO』『青空のゆくえ』の演技を認められ、