古代中国では貴重(きちょう)な子安貝が貨幣(かへい)代わりに使われたので「貨」「 財(ざい)」など、お金に関する文字で「貝」をふくむ漢字がたくさんあります。でも「貝」の字形が子安貝の意味だけではなく、青銅(せいどう)器製(せい)の器「 鼎(かなえ)」の 省略(しょうりゃく)形である場合もあります。 紛(まぎ)らわしいですが、「鼎(てい)」の省略形の「貝」をふくむ文字を紹介しましょう。その代表的な文字は「円」です。「円」は今の字形では「貝」との関係がわからないですが、 旧字(きゅうじ)「圓」ならばよく分かります。 その「円」(圓)の説明の前に「圓」の「囗」の中にある「員」の紹介(しょうかい)をしたいと思います。それは「員」が「圓」の元の文字だからです。 「員」の下の「貝」が「鼎」の省略形です。「鼎」は煮炊(にた)き用の青銅器で、お祭りの際(さい)に用いる器としても使いました。上部の「口」は古