埼玉県行田市の小学校の女性教諭が、度重なるクレームで不眠症に陥ったなどとして担任する児童の両親を相手取り、慰謝料500万円を求める訴えを起こしたことが明らかになった。「モンスターペアレント(学校に理不尽な要求をする保護者)」の問題が指摘されて久しいが、教員が親を訴えるのは極めて異例の事態だ。ともに学校教育の現場で豊富な経験を持つ日本教育大学院大学の河上亮一教授と法政大学の尾木直樹教授に、意見を聴いた。(磨井慎吾)教師vs保護者 「提訴を支持」8割に ◇ ≪河上亮一氏≫最後の手段で仕方ない ○訴訟は増えるのでは --教師の提訴をどうみるか 「提訴はやるべきことをすべてやった上での、やむなくの選択ではないか。学校教員の場合、今後の教員人生や生徒が傷つくことを考えると、よほどひどい状況がない限り訴訟には踏み切れない。同じ境遇で苦しんでいる教員は全国にいるはずで