では、どういう運動が、脳を育てるために効果的なのか。レイティ氏が勧めるのは、一定時間にわたって心拍数を上げるタイプの運動だ。研究によると、数ある体力の評価基準のうち、とくに心肺機能が学業成績と強い相関関係を示しているという。 具体的な心肺機能の高め方は、速足でのウオーキングやランニング、エアロビクスやエアロバイクを使った運動など。週に2日は最大心拍数(注)の75.90%まで上がる運動を短めに、残り4日は65.75%までの運動をやや長めに、というのが脳のためには理想的だという。心拍数の目安としては、ランニングでたとえると、最大心拍数に対して80%以上というのはかなりきつい全力疾走、70%はやや息が上がる走り込みといった具合だ。心拍計を使って測ってみるのもよいだろう。 ジョン・J・レイティ ハーバード大学医学部准教授。精神医学を専門として幅広く活躍。イリノイ州ネーパーヴィルの事例を研究し、運動