ブックマーク / eulabourlaw.cocolog-nifty.com (13)

  • ジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター『反逆の神話』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    『労働新聞』に毎月寄せている書評、今回はジョセフ・ヒース&アンドルー・ポター『反逆の神話』(ハヤカワノンフィクション文庫)です。 https://www.rodo.co.jp/column/145984/ 原題は「The Rebel Sell」。これを邦訳副題は「反体制はカネになる」と訳した。ターゲットはカウンターカルチャー。一言でいえば文化左翼で、反官僚、反学校、反科学、極端な環境主義などによって特徴付けられる。もともと左翼は社会派だった。悲惨な労働者の状況を改善するため、法律、政治、経済の各方面で改革をめざした。その主流は穏健な社会民主主義であり、20世紀中葉にかなりの実現を見た。 ところが資主義体制の転覆をめざした急進左翼にとって、これは労働者たちの裏切りであった。こいつら消費に溺れる大衆は間違っている! 我われは資主義のオルタナティブを示さなければならない。そこで提起されるのが

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    shikahan 2023/03/03
  • 自治体は雇用契約を結べないけれど、偽装請負だと雇用になってしまう件について - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    こういう増田が話題になっていて、 https://anond.hatelabo.jp/20211014160920(埼玉県ワクチン接種センターで働いていたのに労働者ではないと言われた話) 謝金扱いだから労働契約がないとのことだったが、時間や勤務場所が拘束されていること・この仕事をしろと指示されていることなどから、「使用従属関係」が発生するのではないか。 こういう応答がされているのですが、 https://anond.hatelabo.jp/20211015101356 自治体が人を雇う場合、一般的な雇用契約をすることができない。少し前までは曖昧にされてたが、総務省が古い解釈を今更示したせいで、一時的であれ短時間であれ、明確に公務員として任用せねばならなくなった。令和2年度4月から施行された会計年度任用職員てやつだ。 いや、それは教科書レベルの回答であって、も少しディープな話があるんだな。

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    shikahan 2021/10/16
  • 労働者協同組合法の根源的矛盾 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    昨日の朝日新聞に澤路さんが労協法の記事を書いていましたが、 https://www.asahi.com/articles/ASP1Y3PLLP1WULZU00V.html(ついに法制化された「協同労働」 働き手が話し合い経営) 「労働者協同組合(労協)法」が昨年12月に議員立法で成立し、2年以内に施行されることになりました。働き手が自ら出資し、経営に関わる――。「協同労働」と呼ばれる働き方の組織が、法律に位置づけられます。会社に雇われて働くことと、どう違うのでしょうか。・・・ この労働者協同組合法については、これまでもブログで時々コメントしてきましたが、最終的に成立した法律は、その一番根っこに最大の矛盾をはらんだまま成立に至ったという感じがします。それは、協同組合の構成要素(メンバー)たる「労働者」が、労働法の適用対象たる使用従属関係下の雇用労働者と位置付けられたということです この点は

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    shikahan 2021/03/08
  • 小島庸平『サラ金の歴史』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    小島庸平さんの『サラ金の歴史 消費者金融と日社会』(中公新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。 https://www.chuko.co.jp/shinsho/2021/02/102634.html 個人への少額の融資を行ってきたサラ金や消費者金融は、多くのテレビCMや屋外看板で広く知られる。戦前の素人高利貸から質屋、団地金融などを経て変化した業界は、経済成長や金融技術の革新で躍進した。だが、バブル崩壊後、多重債務者や苛烈な取り立てによる社会問題化に追い詰められていく。書は、この一世紀に及ぶ軌跡を追う。家計やジェンダーなど多様な視点から、知られざる日経済史を描く意欲作。 封筒からこのを取り出した時、私は一瞬、もしかして宛先を間違えられたのかな?と思いました。著者の小島庸平さんも存じ上げていないし、タイトルを見ても、私に送られてくるようなじゃないと思ったからです。 し

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    shikahan 2021/02/25
  • 今野晴貴・藤田孝典編『闘わなければ社会は壊れる』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    今野晴貴・藤田孝典編『闘わなければ社会は壊れる 〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波書店)をお送りいただきました。 https://www.iwanami.co.jp/book/b454642.html 多くの人々が十分な社会保障・福祉を受けることなく,日々の暮らしにも困窮している.雇用と労働をめぐる環境は悪化の一途を辿り,ブラック企業による被害は後をたたない.一人ひとりの生活を守りつつ,社会全体の変革をめざす運動を生み出すことが求められている.労働と福祉,それぞれの領域から提起する,当の闘い方. 中身は以下の通りです。 はじめに  今野晴貴・藤田孝典 第一部 福祉運動の実践をどう変革するか? 1 みんなが幸せになるためのソーシャルアクション――福祉主体の連帯と再編を求めて ……………藤田孝典 2 ソーシャルビジネスは反貧困運動のオルタナティブか?――新しい反貧困運動構築のための試論

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    shikahan 2020/08/12
  • 二極化の神話 またはおっさんずジョブの衰退とねえちゃんずジョブの興隆 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ソーシャル・ヨーロッパにゲルマン・ベンダー氏が「The myth of job polarisation may fuel populism」(二極化の神話がポピュリズムを掻き立てる)という短い文を寄稿しているんですが、これが大変面白い。 https://www.socialeurope.eu/the-myth-of-job-polarisation-may-fuel-populism 21世紀になってから流行し、ほとんど常識化している労働市場の二極化、ってのは実は現実の姿では無くて神話に過ぎないという話と、それがアカデミズムだけじゃなくて一般社会に大きな影響を及ぼしたために、ポピュリズムがはやってしまった、という批判なんですが、まずその二極化が神話だという話。 何が「神話」だと言っているかというと、低技能労働者と高技能労働者が増えて中間層が減っていくという認識が間違っていると言うんです。

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    shikahan 2020/02/01
    ねえちゃんずジョブとして挙げられているものが内需サービスばかりなので、その辺をどう折り込むかなのかな。
  • バカとアホが喧嘩するとワルが得する - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    昨年末、松尾匡さんからメールで、反緊縮マニフェストに名を連ねてほしいというご依頼があったのですが、そのマニフェストの冒頭に「1 消費税を上げて不況が戻ってもいいのですか? 消費税を5%に戻して、景気を確かなものに。」という項目があり、それがこのマニフェストの主張の筆頭代表的存在である限り、それは無理ですという旨をお伝えしました。 https://economicpolicy.jp/wp-content/uploads/2018/10/manifesto2017new.pdf このマニフェスト、そのあとを読んでいくと、「2  働きたい人が誰でもまっとうな職で働ける世の中に! 雇用創出・最低賃金引き上げ・労働基準強化」といった賛成できる項目もあるのですが(もっとも、ベーシック・インカムは賛成できない)、世間的にはまず何よりも反消費税という主張に集約されるであろうことは間違いありません。 ただ、

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    shikahan 2019/01/06
    「バカとアホが喧嘩するとワルが得をする」これはネットはもちろん政治も経済も芸能もあらゆる場面で通用するこの世の真理のひとつだよね。主体的に何かしているようで実はシステムの上で踊らされ養分になる。
  • バラモン左翼@トマ・ピケティ: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    21世紀の資で日でも売れっ子になったトマ・ピケティのひと月ほど前の論文のタイトルが「Brahmin Left vs Merchant Right」。「バラモン左翼対商人右翼」ということですが、この「バラモン左翼」というセリフがとても気に入りました。 http://piketty.pse.ens.fr/files/Piketty2018.pdf Brahmin Left vs Merchant Right:  Rising Inequality & the Changing Structure of Political Conflict (Evidence from France, Britain and the US, 1948-2017) 冒頭の要約によると: Using post-electoral surveys from France, Britain and the US,

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    shikahan 2018/04/23
  • 新聞記事「だけ」をネタにエントリを書かない理由 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ブログでは、原則として新聞記事「だけ」をネタにエントリを書かないようにしています。というか、できる限り、当該当事者による発表資料なり何らかの文書なりをもとにしたエントリになるように努めています。まあ、政労使といった団体の場合、概ね新聞記事が載ると前後して何らかの資料があっぷされていることが多いのですが、ある会社がこういうことを決めたみたいな記事、とりわけ日経新聞に載るその手の記事の場合、肝心のその会社がうんともすんともいっていない状態であれこれもっともらしいことをコメントするのもいかがなものかと思うことが多く、とりわけツイッター上などで燃え上がっている方々を見て、いろいろ感じるところもあったりするのですが、それはともかく、 http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19693990U7A800C1TJ1000/ (従業員を転籍、元の職場に派遣 リンクトブレイ

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    shikahan 2017/08/09
  • 発達障害者が働きやすい職場は「ジョブ型雇用」 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    ベネッセ総合教育研究所のサイトに、東京大学先端科学技術研究センター 近藤武夫准教授による「発達障害のある人たちの就労に関わる問題」というインタビュー記事が載っています。 http://berd.benesse.jp/special/co-bo/co-bo_theme4-2.php その中に、こんな一節がありました。 多くの大学生を悩ませる就職活動だが、発達障害のある子たちにとっては、障害ゆえの悩みが発生する。その背景にあるのが、知識やスキルよりも「コミュニケーション能力」を重視する企業の選考姿勢だ。 多くの日企業の選考では、他者とのコミュニケーションをうまくとれる人が有利であり、それゆえに発達障害のある人の一部は非常に不利な状況に立たされると近藤先生は話す。「日型の新卒採用では、職務を明確に定めない雇用契約が一般的です。そうすると、採用の段階でもとにかく学生人の側に『自分を売り込む』

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    shikahan 2016/10/29
    「できる人」と「発達障害者」の二種類なら良いけど、その間の(つまりほどんどの)人にとっても良い仕組み、てのはある程度グラデーションにならざるを得ないのだろうと思う
  • なぜ極右政党は危機の時代にうまくやるのか? - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    欧州労連のシンクタンクである欧州労研(ETUI)が「Why far right parties do well at times of crisis: the role of labour market institutions」(なぜ極右政党は危機の時代にうまくやるのか?:労働市場機構の役割)というワーキングペーパーを公表しています。なかなか興味深い分析をしているので、ご紹介。 http://www.etui.org/Publications2/Working-Papers/Why-far-right-parties-do-well-at-times-of-crisis-the-role-of-labour-market-institutions http://www.etui.org/content/download/24349/201792/file/WP+2016.07+Far+r

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    shikahan 2016/09/20
  • 「シルバー人材センターの業務拡大」@『生産性新聞』3月25日号 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    『生産性新聞』3月25日号に「シルバー人材センターの業務拡大」を寄稿しました。 今国会に提出された「雇用保険法等改正案」の中に、高齢者雇用安定法の改正としてシルバー人材センターの業務拡大が含まれています。継続雇用制度や年齢差別禁止などのように労使間で利害が対立するホットな話題ではありませんが、労働政策の最周縁に位置するこの政策について簡単にまとめておきましょう。 もともとこれは労働行政の外部で始まりました。東京都で高齢者の自主的な組織として高齢者事業団運動が始まり、その後全国に波及していったのです。労働省は当初失業対策事業の弊害を憂慮してこれに関与しない方針でしたが、1979年に政策を転換し、1980年度から国の予算措置としてシルバー人材センター事業が開始されました。この中で、東京都高齢者事業団時代からの課題であるシルバー人材センターの法制化が、繰り返し要望され、1986年高齢法の一環とし

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    shikahan 2016/04/14
  • 松尾匡さんとのやりとり - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    松尾匡さんのホームページに、新著『自由のジレンマを解く』が紹介されていたので、同書の元になったシノドス連載時の松尾さんとのネット上でのやりとりを思い出しました。 http://matsuo-tadasu.ptu.jp/essay__160219.html ご報告が遅れましたが、2月16日に、新著『自由のジレンマを解く』がPHP研究所さんから出版されました。サブタイトルは、「グローバル時代に守るべき価値とは何か」。 http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-608b.html (ジョブ型責任とメンバーシップ型責任) いつも明快な松尾匡さんが、例によってシノドスで明快な議論を展開していますが、 http://synodos.jp/economy/10051(「自己決定の裏の責任」と「集団のメンバーとしての責任」の悪いとこどり)

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    shikahan 2016/02/21
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