「手放したくないという思いがなかったと言えばうそになります」。養育里親として里子を育てる男性はこう明かす。養育里親は、養子縁組を目的とせずに子どもを育てる仕組みだ。里子の多くに実親(生みの親)がおり、親権は実親にある。実親の元にいられない子どものための制度だが、里親にも葛藤がある。かわいい盛りをともに過ごせば手放したくなくなる。問題行動を繰り返されれば疲弊もする。里親の本音を取材した。(ライター・上條まゆみ/Yahoo!ニュース オリジナル 特集) 九州の田園地帯に住む田中文孝さん(仮名、50代)は、妻と8歳の男の子との3人暮らしだ。サッカーや大なわとびが好きで活発な子どもだが、最近になって学校への行きしぶりが始まった。 「『学校で嫌なことがあったの?』と聞いても、『違う』と言う。心配でたまらないです。家ではひざの上に乗ってきたり、おんぶをせがんだりするなど甘えてくる一方で、イライラ、ピリ
![「迎えにいく」と連絡があったまま音信不通にーー実親に振り回されても子どもを育てる養育里親は究極の“親業”(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/add840a651ff1aac34b5f7f6fcdd9f29125ec361/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnewsatcl-pctr.c.yimg.jp%2Ft%2Famd-img%2F20230309-00010000-ytokushu-000-1-view.jpg%3Fexp%3D10800)