2006年5月9日 田中 宇 記事の無料メール配信 この記事は「IMFが誘導するドルの軟着陸」の続きです。 5月5日、インドのハイデラバードで、アジア諸国の財務大臣らを集めて「アジア開発銀行」(ADB)の年次総会が開かれた。またこの前日には、ハイデラバードに1日早く到着した東南アジア10カ国と日本、中国、韓国の蔵相たちが「ASEAN+3」の会議を開いた。 これらの会議より10日ほど前、前回の記事で紹介したIMFとG7の会議が相次いで開かれている。IMFとG7では「双子の赤字が増えているアメリカは、もう経済的に持たないので、アジアの諸通貨を切り上げてドル安にしたい」という要望が、アメリカ主導で発せられた。このアメリカ側の要望に対するアジア側からの返答が、ハイデラバードでのADBとASEAN+3の会議で発せられた。 先に結論を書くと、アジア側からの返答とは「これまでアジア各国は、ドルに対する自