朴槿恵大統領をめぐる超弩級のスキャンダルで、韓国は国家崩壊の危機にさらされている。なぜ国民はここまで怒っているのか? 長年にわたって日韓問題も追ってきた元朝日新聞政治部長の薬師寺克行氏による寄稿は、「民主化宣言」から約30年の歴史を読み解く。 韓国の代表的財閥の一員で2002年の大統領選で有力候補の1人だった鄭夢準(チョン・モンジュン)氏が、ずいぶん前のことだが次のように語ってくれたことがある。 「韓国の大統領の持つ権限は絶大だ。国家権力の95%を大統領が握り、残りのうち3%が与党、2%が野党だ。だから私は大統領を目指した」 国民の直接選挙によって選ばれ、任期は5年で1期限りとされている韓国の大統領は、正反対の2つの面を持っている。 ひとつは鄭夢準氏がいうように圧倒的な権力が集中する「帝王的大統領」という側面だ。もうひとつは任期終盤になると、次期大統領選挙に向けて政界が動きだすとともに大統

