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ブックマーク / www.axis-cafe.net (65)

  • 自由か、さもなくば幸福か? - おおやにき

    というわけでやっとのこと新著の刊行にこぎつけました(もちろん私がまとまった原稿を書けなかったせいですが)。内容紹介のつもりで以下に目次を掲げておきます。書店での発売は3月12日とのこと。選書なので置いてある屋さんが多くないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。 大屋雄裕 『自由か、さもなくば幸福か?:21世紀の〈あり得べき社会〉を問う』 筑摩選書、筑摩書房、2014/3。 はじめに 第1章 自由と幸福の19世紀システム 1 近代リベラリズムと自己決定の幸福 2 契約自由の近代性 3 参政権:自己決定への自由 4 権利としての戦争 5 19世紀システムの完成:自己決定する「個人」 第2章 見張られる私:21世紀の監視と権力 1 監視の浸透 2 情報化・グローバル化と国家のコントロール 3 「新しい中世」 第3章 20世紀と自己決定する個人 1 19世紀から遠く離れて:戦争と革命の20

  • 自民党憲法改正案(4) - おおやにき

    というわけでここまで、自民党の憲法改正案に対して加えられている批判が大概ダメであるという点を確認してきたのだが、では同案がいいものだと私が思っているかといえば、最初に書いた通りまったくそうではない。以下では、それは何故かという点を説明する。 まず第一に、これは趣味の問題ではあるが私は悪趣味だと思うのは、案19条の2(個人情報の不当取得の禁止)、案21条の2(国政上の行為に関する説明の責務)、案25条の2(環境保全の責務)、案25条の4(犯罪被害者等への配慮)、案29条2項付記(「知的財産権については、国民の知的想像力の向上に資するように配慮しなければならない」)という形で人権のカタログ(あるいは対応する政府の責務)をずらずらと拡張した部分である。 おそらく意図としては、改憲案が人権軽視ではない(むしろ「新しい人権」を取り込むことでは護憲派・人権派より「先進的」である)と主張することだと思う

  • 自民党憲法改正案(3) - おおやにき

    第三はこれまでよりはマシな話で、現97条の定める基的人権の不可侵性が消えているとか、現99条の憲法尊重擁護義務の名宛人に国民が加わっていることから立憲主義の理念が損なわれているとするもの。 この点について私自身はアンヴィヴァレントであり、つまり一方で「立憲主義」を知らないというのはいかがなものかともちろん思うのだが、他方別段それは万古不易の理念でもないので、それだけを捉えて批判しても意味がないと思い、しかしひっくり返すとそんな意味のないところで騒動の種を蒔くなよとも思うわけである。 どういうことか。第一にそのような批判でいう「立憲主義」とは国家権力に対する制限を定めることによって国民の権利を保障するための手段として憲法を捉える見方である。別の言い方をすれば、そこに含まれる命令の主体は国民・名宛人は国家であり、国家の義務を憲法が定めるのは当然だが国民の義務が含まれるのはおかしいということに

  • 体罰と暴力 - おおやにき

    大阪市立桜宮高校の男子生徒が自殺した事件以来、体罰をめぐる議論がかまびすしいようである。「義家政務官「体罰ではなく暴力だ」 自殺の事実解明指示」(asahi.com)などという報道もあり、これに対して「体罰は暴力に決まっているだろう」と反発している人々も見受けられ、一方では前者が必然的に有形力の行使を伴う以上その通りなのだが、「死刑によって殺人は減る」と主張している人に対して(いやその当否はともかくな)「死刑は国家による殺人にほかならない」と言うようなもんやな、とも思う。法による統制を受けていることによって死刑が単なる殺人とは区別されている(ことになっている)のと同様に、体罰も統制されていない暴力とは違うよねという立場もあるだろう(再び、その当否はともかくとしてだ)。要するに出だしの定義問題から混乱しているので、互いにわら人形を叩いている部分がある。 管見の限りではあるが、よほど極端な人を

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2013/02/15
    今更ですが
  • 武力と日常(4) - おおやにき

    議論は次の論点、すなわち「無縁」の評価に映る。ここでの直接的な対象はまず郷氏ではなく、2巻の筆者・東島氏ということになろう。同書の表題にもある通り「自由にしてケシカラン人々」の存在を高く評価する東島氏は、彼らの存在を支える都市の自由が、当の都市民たちの自治によって失われていく過程を告発する。 すなわち、「「かけ落ち」する者にとって、あるいは飢饉の「流民」にとって、都市とは〈生きやすい〉場所のはずであった。だがそれも、戦国時代が進み、京都のように都市民たちが「町」を単位に自治を獲得し始めると、俄然〈生きにくい〉場所へと変貌していく」[2,117]。来「都市とは、こうした身分的隷属関係を一時的ながらも解除し、関係を組み替え、言い換えれば〈人生をやり直しうるかもしれない〉空間となりえていた」[2,115]ものが、「「町」や「町々」が権力の末端機構化して」[2,117]ことによって失われていく

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2013/02/11
    "束縛しないこと・そこにいることができることと歓迎されること・受け入れられることを混同"
  • 武力と日常(2) - おおやにき

    前回・前々回に述べたような仕儀で郷和人先生の武力理解について私の意見を弁明すべき状況に立ち至ったので、ずっと前に書きかけてほおってあったエントリを発掘する。以下の二冊に対して言及したもの。 郷和人『武力による政治の誕生(選書日中世史1)』選書メチエ、講談社、2010。 東島誠『自由にしてケシカラン人々の世紀(選書日中世史2)』選書メチエ、講談社、2010。(いただきもの。ありがとうございます。) 「郷派」と私が冗談で言っている(というのは3人が東大郷勤務でお二人が郷姓だからだが)方々によるシリーズの、冒頭2冊を読んだ時点での意見である。思い起こせばこのシリーズの前触れとなった特集が組まれたRATIOには私も(当然ながら別の特集だが)まぎれこんでいたのであった。ちょっと自慢。 まあそれは措いて、上掲2冊を読んで私が抱いた疑問を大きくまとめると、以下の2点になる。すなわち、 暴力

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2013/02/11
    「暴力の均衡をいかに形成するか」
  • 批判的民主政と選挙 - おおやにき

    というわけで総選挙が終わり、自公連立で衆院の安定多数確保という状況に相成った。民主党としては参院の比較第一党であることを生かして活動していく方針らしいが、まあ率直に言って一釣りされる議員の値段を上げるだけ、という気もする。 投票前日、土曜日の夕方にたまたま秋葉原の駅頭を通りがかった(定宿が浅草橋にあるのである)。えらいこと騒がしいので何かと思えば自民党候補の選挙演説であり、安倍総裁や麻生元総理も来るというので写真のような大混雑、そこここで日章旗がはためくという状況になっていた。 でまあ、やはりこの状況を見た人の中にはこの世の終わりだというか、あんな保守反動政党が熱狂的な支持を集めている状況が恐ろしいと言っている人がいるようなのだが、自民党の政策自体に対する評価はさておき、そうひどいことになるまいとも思う。あの人たち、数年後には別の旗振ってるよ。 というのは別にその人たちや自民党を馬鹿にし

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/12/18
    ”民主党政治をひっくり返したように敵を作って負のエネルギーを蓄積する政治になるのかなあ”
  • 憲法使いの弟子 - おおやにき

    「だまれ俺は芦部信喜教授の孫弟子の同期だぞ」ってのはどうか(挨拶)。憲法問題だから「ノモス主権論尾高朝雄教授四世の孫弟子」の方がいいかな。しかしその、尾高宮澤論争以来の敵対派閥(笑)だからというのではないが、天賦人権説というのもそうスジのいい議論ではないので切り札的にそれは天賦人権説否定ですねドヤアみたいなのもどうかと思ってちょっと書く。 というのは自民党の憲法改正案にまつわる問題で、それを進めている人々がtwitterでうかつなことを言っているのに対して怒っている人々がいるという話であり、いや個人的にも先般提案された改正案はろくでもないものになっていると思っているわけではあるがおそらく私が問題にしている箇所は人々が怒っているのとは違うし、いま問題にされているような論じ方が利口だとも思えない。というので少し書いて放っておいたら政治のほうが動き出したりしてどうしたものかと思っているわけだが、

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/12/16
    まともすぎて吐き気がする(違)
  • 英語。 - おおやにき

    途中だがちょっとこの話。「就職有利・不安...ほぼ全講義を英語化する国立大」(Yomiuri Online)ということで、山梨大学が「ほぼすべての講義でテキストを英語の書籍とし、英語で講義することを決めた」という報道だが、そもそも高等教育英語で行なうのが望ましいかどうかという話は横に置いておいて大丈夫なのかこれは。 まず記事内容について補足すると、全学的に英語による授業だけで学位取得まで終えることができる大学というのは確かに国際教養大学くらいしか聞いたことがないが、同趣旨の課程(学部とか学科とかコースとか)は他大学にもそれなりにあり、2009年にはグローバル30というプロジェクトで13大学が選定され、すでに教育も始まっている。名古屋も選定校に含まれており、5学部で5コースが設置されていたり他大学には珍しい社会科学系の教育をやったりしている。いや正直山梨大とかグローバル30のときに申請すら

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/11/15
    ※欄にて火消し
  • アサヒ - おおやにき

    なにやら法政大学で学生デモがあって機動隊がキャンパスを封鎖する騒動になったとのこと。その端緒が学内での飲酒禁止規制にあったということで、twitterなどでは「大学になにしに来てんだ」的な反応も相次いでいるようである。主張の是非はともあれ、つまり論点をアピールして周囲の共感・同調を誘うことには失敗しているようであって、それは何故かというに訴求先を間違えたからであろう。キャンパスで酒を飲む自由をもっとも重要視しているのは大学教員であるので、一般社会や同世代学生ではなく学生運動世代とかのオヤジ教員を泣き落とす戦略のほうが有効だったのではないだろうか。そのまま肩を抱かれて居酒屋に拉致されてしまう可能性なしとはしないが(挨拶)。さて。 以前にも書いた通り私は橋下・大阪市長の政策・政治手法を決して高くは評価していないのだが、しかし今回の週刊朝日の特集記事については端的にアウトであり、それを問題として

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/10/20
    枕「キャンパスで酒を飲む自由をもっとも重要視しているのは大学教員であるので、一般社会や同世代学生ではなく学生運動世代とかのオヤジ教員を泣き落とす戦略のほうが有効だったのではないだろうか。」
  • 研究職をめぐる問題 - おおやにき

    山中教授のノーベル賞受賞が祝われた直後にiPS細胞の臨床応用を初めて実現したというニュースが報道されたところ、どんどん話が怪しくなっている件について(なお参考、「森口氏、iPS研究の詳細説明あいまい 朝日新聞も取材」asahi.com)。まあこの件の真相については追々究明されるのだろうけれども、正直言っておかしくなっちゃう研究者というのは一定の割合で出てくるのであって(自覚的に捏造するのであれ自分自身ではそれを真実だと信じる方向に行ってしまうのであれね)、その真偽を見抜く報道側の問題だよなとは思うところである。 ところでまあ一般論として言えば一部の研究者がおかしくなっちゃう背景にあるのは業績を出さねばならぬという強迫観念であり、さらに背景にある雇用の不安定さである。森口氏についてもこれまでの経歴に非常に激しい変遷があることが指摘されているが(たとえば参考、「「iPS臨床」の森口氏、資格は看

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/10/20
    どうしたものか……。
  • 履修偽装問題 - おおやにき

    入試科目に社会がまったくない大学の教員が若者の世界史知識のなさに文句をいいたれるというのも趣深い光景だと思ってみたり(挨拶)。貴学の入試制度は若者にどういうメッセージを送っていらっしゃるのかしら? まあ何やら次から次へと実例の出てきたこの話だが、あほかいと思う部分となるほどと思う部分があり。 あほかいというのはこの連中(というのは受験に関係のある科目に集中したいという生徒の側もそれを肯定する教師の側もなのだが)、大学に入ったあとどうする気なんだということである。すでに述べたこともあるが大学に入ればその中での競争というのがある。私も一年生向けの入門講義とかやっているが学生が世界史の基的な知識を持っていることは前提になっているし、大学というのは(法学部というのは、かもしれない)一部に落ちこぼれていく学生がいることなど気にはしない。もちろん、来なら高校のあいだにやっておくべきことを大学に入っ

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/09/22
    20年ほど前の某桐朋高校の状況。御三家のような老舗進学校とか、成蹊のようなやはり老舗のエスカレーター式高校なんて、こんなもんです。受験無視のマニアックな授業。名門公立だって大差なかったと思うよ?
  • 続・ダウンロード犯罪化の経過について - おおやにき

    話題になっていた違法ダウンロードの犯罪化を含む著作権法改正案が15日中に衆議院文部科学委員会・会議で可決されたとのこと(「リッピング違法化+私的違法ダウンロード刑罰化法案、衆議院で可決 」Internet Watch)。報道もされている通り今国会は議案の処理が非常に低調で、内閣提出法案ですら5月23日段階で25%弱という水準にあり、会期末が6月21日に迫っていることもあって(まあ衆議院の優越があるので延長しようとするだろうけど)このまま潰れるんじゃねえかなと思っていたところである。どうも与野党で対立していない法案についてはやっぱり処理しておこうと、ギリギリになってそういう空気になったようには見える。 さて件についてはすでに書いたことがあるが、内容面については現在の民事違法規定も活用できていない状況でさらにハードルの高い刑事制裁を追加しようとするもので、威嚇効果を除けば実効性は期待できな

  • ダウンロード犯罪化の経過について - おおやにき

    著作権法を改正して音楽・動画の違法ダウンロードに刑事罰を導入しようという案件について。すでに2010年から違法行為との位置付けはされていたが、その際には見送られた犯罪化をしようという動きがあり、4月13日の自民党文部科学部会で改正案が了承され(山一太議員のブログ)、政府・民主党も「著作権者の許諾なしにインターネットのサイトから音楽や動画を違法ダウンロードする行為に罰則を科す方針を固めた」との報道である(47news)。 ここで書きたいのはこれがどういう経過を示しているのかということで、というのは「しかも今回、途中までは議員立法でやるという話だったものが、突然どさくさにまぎれて閣法に盛り込まれた。立法プロセスとしても相当タチ悪いよこれ。関係者呼んでヒアリングさせて「十分議論して進めますので」と宣言してから1カ月も経ってないのにこんな手段で通そうとする。ふざけんなよって話。」(twitter

  • あるべき姿とその実現 - おおやにき

    学部が大きな外部経費を二件立て続けに獲得したところ例によってというか予想通りというか召集されて規定改正の要綱とかを作っている件について(挨拶)。1%でいいからくれんかな私個人に。 さてまず私自身はこの分野の現実的な問題に関する知見も知識も十分にはなく、従って具体的な制度改正の方向性の次元でどちらに理があるかという点は判断不能であるということを前置きした上で、従って多分に茶々を入れるだけみたいなことになるのは自分も書いている媒体の原稿なだけに恐縮するところはあるのだが、しかし書いておいたほうがいいかなと思うところもあるので、書く。 というのは竹端寛氏の「障害者制度改革の重大な岐路」(Synodos journal)についてであり、2010年の自立支援法違憲訴訟和解案とそれを受けた2011年の総合福祉部会骨格提言に対し、今年2月の厚生労働省案が実質的な「ゼロ回答」であって大がっかりという整理は

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/02/21
    こういう法制度のめんどくさい話は経済学者には嫌われるが社会学者はどうだ。
  • 定番。 - おおやにき

    総理が演説した。「崖っぷちにいるのは民主党ではない、日と国民だ」。 「総理、では民主党はどこにいるのですか?」 「民主党は常に国民の一歩先にいる」 ところで岡田副総理は副総理で野党が消費増税等に関する事前協議に応じないことに「議論すらさせてもらえないのは、何のために国会があるのか」とご立腹だそうですが多分議論するために国会があるんじゃないかと思うんだけど。なお参照、「一体改革応じぬ野党批判=選挙制度抜改革も検討-岡田副総理」(時事ドットコム)。 まあもちろん音の話としては理解できないではなく、つまり日の国会システムでは審議日程が一番の稀少資源なので開会時にはすべての議案が内容とともに出揃っていて優先順位に従って粛々と処理していくということにしないと片っ端から時間切れ廃案になってしまうという事情があり、ついてはあらかじめ内容について異論が出ないように目処を付けておきたいということであ

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2012/01/17
    ごもっとも
  • シアトルだより(6) - おおやにき

    欧米の都市は電線の地下化ですっきりとした街並みを保っているのに対して日の美観は云々という意見をよく聞きますが、少なくともここシアトルではトロリーバスが市街を縦横に走っているのでこのように電線だらけです(挨拶)。いや別に私自身には美観の問題に関する確たる意見もない。トロリーバスは、実際に乗車してみたところ少なくとも走行中の車内は通常燃料のものに比べて静かであり、音や匂いを気にする人にはむしろ好ましい交通機関かなと思った。技術的なことはわからない。しかし、よく考えたらトロリーバスに乗ったのはここが初めてかもしれないな。 さて。ウォール街占拠デモの方はなんか相変わらず続いているらしく、しかし元々「我々が社会の99%だ、我々のための政治をしろ」という程度の主張しか明確にはなかったところ、反戦運動とか労組とかが混ざってきてなんだかよくわからなくなっているという報道が結構見られる。横から見ている限り

    shinichiroinaba
    shinichiroinaba 2011/10/19
    "アメリカ人(の多く)が他の国の社会とか制度をぜんぜん勉強していないという背景があるんだろうなあ"
  • 新司法試験(2・完) - おおやにき

    さて前回「表面的な数字」と書いたのにも多少背景があって、まあ以前にも合格者数ランキングを各社が報道しては「学年定員がぜんぜん違うじゃん」とツッコまれていたりしたわけですが、合格率にも実は結構お化粧があるのよねというお話。 数年前に新司法試験の結果分析をやっていて気付いたことなんだけど、(1)学年定員・(2)志願者数(受験しますよ、という届を出した人数)・(3)(実際の)受験者数に大きな違いのあるLSというのがところどころ見受けられたのですね。基的にこれは(1)=(2)=(3)になるのが正しい数字で、もちろん前年度以前の不合格者が再受験するから(1)<(2)になるのですが、しかし(2)と(3)に大きな乖離があるのはおかしい。ところが一部LSでは、(3)が(2)の60%にまで減少している。これは何か、というのが問題だったわけです。 端的に言うとこれは直前での「受験回避」がメインであろうと。新

  • 新司法試験(1) - おおやにき

    今年の結果が8日に公表されてましたね。まあ学は合格者数・合格率という表面的な数字で見ても10位前後という位置に安定できているのでまずは一安心なのですが(なお私は合格率に関係のあるようなことを何もしていないので私の功績ではない)、全体的には合格者数2063人、合格率23.5%で過去最悪を更新という感じでえらいことになっておるという報道です。でまあ、確かにそれはそうなんだけどな、ということを多少。 そもそも合格者数でトップの東大(210人)から最下位の姫路獨協大学(ゼロ)、合格率でも一橋大(57.7%)から、当然ながら最下位の姫路獨協大学(ゼロ)まで大差がある。合格率7〜8割という当初の理想はどこへ、などと言われるわけですが、正直上位校なら3回目までにその程度の割合は合格するわけです。すると問題は何度受けても受からない受験者しか出せないLSにあるのであってLS全体にあるのではない、と言いたく

  • 分限と懲戒 - おおやにき

    前原外務大臣が辞任したそうである。長年の支持者であった在日韓国人の焼肉店経営者から献金を受け取っていたのが政治資金規正法に違反するということだが、そのような人間関係を背景に・5年間で合計20万円という程度の金額をもらったことが辞任に値するような悪いことか、と聞かれれば戸惑わないではない。前原氏自身も「献金によって外相の職務に影響を受けたことはない」(asahi.com)と述べたようだが、確かに国会議員が動く規模の金額ではないだろうし、そもそも言われているような関係があればお金など渡さなくても前原氏が動くことはあったかもしれない。そして、そのような人間関係を介した影響力を禁止する法律はないし、禁止することもできないだろう。大臣が自らの出処進退について判断したことなのでこのような表現がそのままあてはまるわけではないのだが、しかし懲戒免職に相当するような「悪い」振る舞いであったかは確かに疑問で、