図1◎JX日鉱日石エネルギーが家庭用の燃料電池「エネファーム」。残念ながら、写真は2011年2月現在の姿 「10月だとお。本当に今年ですか」。耳を疑う発表だった。JX日鉱日石エネルギーが家庭用の燃料電池「エネファーム」にSOFC(固体酸化物型燃料電池)を使ったタイプを追加する。発表では触れていなかったが、セルは京セラ製だ。それが2011年10月の予定だという。SOFCの開発がここまで進んでいるとは…。恐るべし京セラ。 燃料電池にはPEFC(固体高分子型燃料電池)とSOFCの2種類がある。PEFCは電解質がプラスチック製、SOFCはセラミックス製だ。技術の水準はSOFCの方がPEFCよりずっと高い。PEFCがやっと市場に出始めた段階だから、SOFCの時代が来るのはしばらく先だと思い込んでいた。こんなに早くできてはPEFCの立場がない。 SOFCは効率がPEFCより高い。10月に発売するSOF
「テレビとインターネットの融合」は,1990年代半ばにインターネットが登場して以来,約15年間にわたってさまざまな人や企業が主張し,さまざまな試みが行われてきました。しかし,テレビ放送事業者がインターネットへの対応に消極的だったこともあり,その歩みは遅々としたものでした。 その流れが,ここに来て大きく変わりつつあります。YouTubeやニコニコ動画,Ustreamなどの動画共有/配信サービスにより,動画コンテンツをインターネット経由で楽しむスタイルが定着。米国では,米Netflix, Inc.や米VUDU社などがテレビ向けにビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスを提供しています。英国では,英BBCが提供する無料の見逃し番組視聴サービス「iPlayer」が広く普及。ようやく日本でも,NHKオンデマンドをはじめとして,各放送事業者が有料の見逃し番組視聴サービスを提供するようになりました。 こ
2010年2月に米国で開催された半導体回路技術関連の国際会議「ISSCC 2010」で,非常に斬新なコンセプトの技術が登場し,注目を集めました。ソニーが開発した,機器内のLSI間のデータ転送をミリ波に置き換える「機器内高速ワイヤレス伝送技術」です(Tech-On!関連記事)。ソニーは,送受信回路とアンテナを試作し,14mmの距離を11Gビット/秒の速度で無線通信できることを確認しています。試作チップの消費電力は70mWです。 この技術では,電源は有線で供給するものの,LSI間の信号線すべてを無線化します。これにより,信号用途の配線を省けるようになるため,プリント基板やLSIパッケージの構造を大幅に簡素化できます。結果,部材コストの低減に威力を発揮するわけです。 加えて,この技術は,少量多品種のデジタル民生機器の開発期間を短縮できる可能性も秘めています。パッケージが信号の入出力端子を備える必
SiC(炭化ケイ素)の取材に走りまわりながら、心配になってきた。この調子で電気自動車時代に間に合うんだろうか。SiCは電気自動車やハイブリッド車のモータを回すインバータに使う半導体。今はSi(シリコン)を使っているのだが、近い将来、SiCになる(図1)。ところがタイミングを誤ると、切り替えに失敗する可能性がある。 SiCは損失がSiの半分しかない。出す熱も半分だ。これで放熱が楽になる。しかも高い温度で使える。Siは200℃だがSiCは300℃、ロームは400℃での動作を確認したという(図2)。放熱はますます楽になる。 放熱は、出す熱が少ないほど、温度が高いほど、放熱面積が大きいほど、熱伝達率が大きいほど、楽だ。発熱量が少なくて温度が高ければ、面積を減らすことも熱伝達率を減らすこともできる。熱伝達率を減らすというのは、例えば水冷をやめて空冷にするということだ。 トヨタ自動車のハイブリッド車「
「こんな手があったのか」と驚いた技術展示が先週の「CEATEC JAPAN 2008」にありました。NTTドコモが出展した「MH2H(mobile home to home)」と呼ぶ技術です。 詳細は速報記事に譲りますが,MH2Hは,無線LAN機能を搭載した携帯電話機を利用して,自宅の機器に蓄積してある写真や動画といったコンテンツを,友人の家などの訪問先の機器で表示する技術です。筆者が驚いたのは,家庭内のネットワークでのコンテンツ共有を前提としている機器設計ガイドライン「DLNA」を家庭間に応用したことです(製品として認定を受けているわけではないため,厳密にはDLNA対応とは言えませんが)。 DLNAでは通常,サーバー(DMS:digital media server)が,自らが蓄積しているコンテンツをクライアント(DMP:digital media player)に提供します。それをMH
今週の金曜日,2008年7月4日に「ダビング10」の運用がいよいよ始まります。地上デジタル・テレビ放送の普及のために情報通信審議会が「コピーワンス」の見直しを提言したのは2005年7月末のこと。それから約3年もの間,「EPNには変えられないのか」「1世代のみのダビングを何回まで許容するか」「権利者に対価をどのように還元するか」など,さまざまな議論がありました。 議論を続けてきた情報通信審議会の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」を何度か傍聴した筆者が「これではまとまらないのではないか」と思ったことも一度や二度ではありませんでしたが,何とか一歩を踏み出すことになりました。ダビング10というルールそのものには賛否両論あるでしょうが,公の場での議論で著作権保護ルールの改善策を決め,その改善策をきちんと実行に移したことは大いに評価できることだと思います。 今こそ市場拡大に向けた
今,一部の記者と私の間で,ソフトウエア無線について記事にできないかと,盛り上がっています。キッカケは,米国のベンチャー企業であるTechnoConcepts社という会社が,2006年にソフトウエア無線による携帯電話機向けRFチップの出荷を計画しているというニュースです。GHz帯の信号を直接サンプリングすることのインパクトや,その手法などについて取材を進めています。 私自身は,ソフトウエア無線の実用化動向という点に加えて,もう一つ気になったことがありました。それは,TechnoConcepts社が,これまで盛んに韓国や中国でデモンストレーションを繰り返していることです。発表資料でも,2005年に入ってこうした地域での「実演」および「その成功」をうたうリリースを出しています。我々が取材した限りでは日本市場に向けたアプローチも開始したようですが,どうも「後回し」の感は否めません。 TechnoC
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