母校の寮歌を高々と歌い上げる大学予科の出身者=新宿区の新宿NSビル 戦後間もなく廃止された旧制高校の卒業生が、それぞれの寮歌を歌い継いできた「日本寮歌祭」(日本寮歌振興会主催)が、高齢化を理由に約半世紀の歴史に幕を下ろすことになり、11日、最後の「寮歌祭」が新宿区で開かれた。旧制高校や大学予科など57校の出身者約1千人が、破れた学帽やボロボロの学生服をまとい、時折涙ぐみながら母校の寮歌を歌い上げた。 寮歌祭は1961年に始まり、今年で50回目。最後の開催ということもあり、一つの寮歌が歌い上げられるたびに、参加者同士が壇上で固く握手を交わし合う光景が見られた。 日本寮歌振興会長で旧制山形高校出身の神津康雄さん(91)は「我々にとって寮歌は青春の日々そのもの。寮歌祭は今回で終わるが、歌に込めた思いはこれからも忘れることなく、心の中で歌い続けていってほしい」と話した。(三浦英之)