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ブックマーク / www.style.fm (12)

  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第131回 『幻魔大戦』もう少しだけ

    DVD「幻魔大戦 DTS Ultimate Edition」の解説書は、僕が構成を担当しており、その中に丸山正雄プロデューサー、りんたろう監督の対談がある。その対談中で、丸山プロデューサーに「『幻魔大戦』という作品について、一度、誰かが検証するべきだ」と言われてしまった。検証とまではいかないが、今の自分が知っている事、考えている事を記しておきたい。 と言っても、以下に書く内容は、ほとんどが、その対談における丸山プロデューサーの言葉をはじめとする関係者の発言、あるいは当時の出版物からの受け売りだ。『幻魔大戦』は、角川書店という出版社が主体となって作り上げた劇場アニメーションだ。劇場作品を抜きにしても、それまでに、出版社が商業アニメーションを製作した例はなかったかもしれない。これに続くかたちで、翌年、徳間書店が『風の谷のナウシカ』の製作に乗り出し、スタジオジブリの設立につながる。今では出版社が

    shinimai
    shinimai 2013/01/06
  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第130回 『幻魔大戦』続きの続き

    やたらと期待していたし、楽しめるところはたっぷり楽しめた。しかし、満足できないところもあった。だから、僕は『幻魔大戦』という映画に対して、ひどく屈折した想いがある。残念に感じたのは物語やテーマについてだった。中盤にニューヨークでのバトルがあり、サイオニクス戦士が集結する。そこに至るまでの展開に関しては、丈が、姉の三千子と空中デートをするあたりを甘ったるいと思ったくらいで、首を傾げるところはなかった。 ニューヨークで、バトルはかなりの盛り上がりを見せる。だが、ニューヨークの後が長い。バトルの後、丈は日に戻って、三千子の死に立ち会う。彼は仲間と別れて、砂漠と化した日を彷徨う。火事の中から子鹿を助ける展開があり、そこで「子鹿?」と思った。子鹿のデザインが、ディズニー映画にでも出てきそうな可愛らしいものであるのも、違和感があった。その後で、丈が他の動物達と歩いていくのだが、そのシチュエーション

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    shinimai 2013/01/06
  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第129回 『幻魔大戦』続き

    昨日は、他の原稿や打ち合わせをかかえていて、予定していたところまで原稿が進まなかった。今日は『幻魔大戦』の続きだ。ビジュアルについては満足だった。美術も素晴らしいのだが、やはり僕は、作画に注目した。キャラクターに関しては、必ずしも大友克洋のデザインを描ききったとは言えないが、そのかわりにパワフルなアクション作画が山盛りだった。作画監督の野田卓雄は、スタジオNo.1のメンバーであり、金田アクションのルーツともいえるアニメーターだ。当然、ケレン味のある作画との相性もいい。作では、原画マンの持ち味を活かすかたちで、作画監督としての作業をしていたのだろう。 個々の仕事で言えば、素晴らしいのは、何と言っても、スペシャルアニメーションとしてクレジットされている金田伊功だ。ニューヨークでのバトルもいいが、圧巻はクライマックスにおけるサイオニクス戦士と火焔龍の大決戦だ。1コマ打ちを多用した火焔龍は、一定

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    shinimai 2013/01/06
  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第128回 『幻魔大戦』

    『幻魔大戦』は、1983年3月12日に公開された劇場アニメーションだ。トランシルバニア王国の王女ルナは、宇宙の意識エネルギー・フロイから、幻魔の襲来を知らされる。幻魔とは、宇宙に存在するあるゆるものを滅ぼそうとしている存在である。ルナによって、異星のサイボーグ戦士ベガが復活し、次いで日の高校生である東丈が、サイオニクス戦士として覚醒した。やがて、幻魔の侵攻が格化し、ルナのテレパシーに応えて、世界中のサイオニクス戦士が結集するのだった。 監督は、劇場版『銀河鉄道999』や『宇宙海賊キャプテンハーロック』を手がけた、りん・たろう、キャラクターデザインは大友克洋、作画監督は野田卓雄。原画に関しては、なかむらたかし、川尻善昭、大橋学、鍋島修、森晃司、梅津泰臣と、今の目で見ると、実に豪華なメンバーが並ぶ。クライマックスにおけるサイオニクス戦士と火焔龍の戦いを描いた金田伊功は、スペシャルアニメー

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    shinimai 2013/01/06
  • WEBアニメスタイル_特別企画

    少し前に『時をかける少女』制作中の細田守監督と「映画とは何か?」をテーマに話をしてきました。これは僕にとって、ここ数年間、ずっと気になっていた事なんです。「映画館で公開されたものは全部、映画だ」と言ってしまっても間違いではありません。それがシンプルな定義です。ですが、人がある作品について「これは映画だ!」と言う場合、別の基準で「映画かどうか」を判断して言っているわけですよね。その定義は人によって、また場合によっても違うはずです。そんな事について、ちょっと考えてみましょう。 小黒 ここ数年、「映画」というものが気になっているんだ。「映画って何なんだろう」みたいな事を考えたりしているわけ。 細田 どうしたんですか。アニメ様が映画を気にするなんて(笑)。 小黒 映画が分かってないと、アニメも分からないと思ったからなんだよ。アニメの劇場作品について「これは映画だ」とか「これは映画ではない」と言った

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    shinimai 2012/07/21
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    例えば、お婆ちゃんが美空ひばりの歌を聞いて、その歌詞に感心して「ひばりちゃんは、いい事を言うよね」と言ったとします。それに対して「いや、歌詞を書いているのは美空ひばりじゃないよ。作詞家だよ」なんて理屈っぽい事を言う人がいますよね。あれ、いないですか? 僕だけですか? まあ、いいです。そういう人がいるという事にして話を進めます。 作品を評価する時に「脚が上手い」とか「演出がいい」とか言う事がありますよね。学生時代に友人が、あるアニメ作品について「演出の詰めが甘い」と評した事があって、その言い方が格好いいなと思った。だけど、自分はそういう評価の仕方は苦手なんですよ。「脚が上手いって何?」とか「演出の詰めってなんだよ!」と思ってしまう。 話がよくできている場合や、見せ方が上手な場合があったとして、それがどこまで脚の力なのか、演出の仕事なのかは、外部からはなかなか分からないじゃないですか(い

    shinimai
    shinimai 2012/07/21
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    最近とあるアニメ作品で文芸のお手伝いをしています。いえ、業もサボってはいませんよ。早朝から夕方まで事務所で自分の仕事をやって、夕方にプロダクションに入って打ち合わせ等をこなして、夜に事務所に戻ってまた自分の仕事をやるとか、そんな感じ。二重生活です。ますます普通の生活が遠のいています。 文芸というのは、脚のとりまとめ役です。今回お手伝いしている作品では監督がシリーズ構成を兼ねているので、そのフォローをやっている感じです。なんで、編集者がそんな事をやっているんだ? と言われそうですが、その理由はまたいずれ。 時々、どうして小黒さんは脚家の取材をあまりしないんですか? と訊かれます。確かにアニメーターや演出家に比べると、脚家の取材はあまりしてないんですよ。脚家の仕事が外側からだとあまり分からないのが、その理由のひとつです。アニメの世界では決定稿になった脚の内容が、絵コンテの段階でガラ

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    shinimai 2012/07/21
  • アニメ界この1年 ニュースで振り返る2011

    今年もまた訃報の話題が相次いだ。TVアニメ開始からすでに半世紀近くが経っており、時代の必然とはいえ、出崎統、芦田豊雄、荒木伸吾とかつてのアニメブームを牽引したスタークリエイターが鬼籍に入るのはやはりショックな出来事だった。 一方でヒット作・話題作に事欠かなかった点は明るいニュースだろう。『魔法少女まどか★マギカ』はシャフトと新房昭之監督のクールなビジュアルと、可愛らしくも残酷な美少女ものというコンセプトが合致。短期放映を活かした巧みな構成が話題を集め、震災による中断も視聴者の飢餓感を高める結果につながった。女性を中心に人気沸騰の『TIGER & BUNNY』は、TwitterやUSTREAMといったネットメディアも巧みにからめながら、多くの人が当時に同じ番組を享受するというTVというメディアの魅力を改めて示してみせた。フジテレビのノイタミナ枠が『フラクタル』『C』『あの日見た花の名前を僕達

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    shinimai 2011/12/29
  • 「月刊アニメスタイル」始動 ついてこれるかこの“濃さ”に!

    予約・販売に関して 「月刊アニメスタイル」は一般書店では販売しません。 取り扱いはamazon.co.jp、アニメイト、ゲーマーズ、TSUTAYA(onlineショッピング、TSUTAYA BOOKS)とアニメスタイル関連イベントのみとなります。 雑誌「アニメスタイル」とは 2000年に刊行されたアニメーション専門雑誌「アニメスタイル」は、クリエイターの仕事に深く切り込んだインタビュー、貴重な原画や設定資料などをふんだんに掲載し、マニアックな視点からアニメの面白さを追求しました。しかし、雑誌「アニメスタイル」は2号で休刊。その後はインターネットに活動の場を移し、「WEBアニメスタイル」として展開してきました。開設から10年を経た現在も毎日更新形式で運営中です。その一方、雑誌「アニメスタイル」の復刊を望む声も多く、いつでも手に取って見られる雑誌のかたちで中身の濃い記事が読みたい、というファン

    shinimai
    shinimai 2011/02/12
  • WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第292回 『天空の城 ラピュタ』

    『天空の城 ラピュタ』は宮崎駿監督の劇場アニメであり、スタジオジブリの第1回作品だ。『風の谷のナウシカ』に続いて、彼が原作としてもクレジットされているが、今回は先行して発表されたマンガ作品は存在しない。作画監督は丹内司、美術監督は野崎俊郎、山二三。1986年8月2日公開。登場人物や物語については、今さら紹介するまでもないだろう。 2010年の現在、この作品の人気が非常に高いのは知っている。スタジオジブリ作品で、一番支持率が高いタイトルかもしれない。それが分かっているので、言いづらいのだけれど、僕は『ラピュタ』があまり好きではない。ロードショーで観た時には、ちょっとがっかりした。また、似た感想を何度か耳にした。少なくとも、公開時に僕の周りで(いずれも、当時20歳以上のマニアックなアニメファンだ)絶賛している人間はいなかった。 興行的に見ても、少なくともロードショー時に、大ヒットはしていない

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    shinimai 2011/02/05
  • WEBアニメスタイル_TOPICS

    赤根監督へのインタビューに続き、『ノエイン もうひとりの君へ』関連の記事をお届けします。今日と明日で掲載するのは、岸田隆宏さんの手によるキャラクターデザイン。『serial experiments lain』や『地球少女アルジュナ』等で知られる岸田さんは、才人です。アニメーターとして抜群に巧いし、キャラクターデザインとしての仕事ぶりも多彩。既存の枠におさまりきらないところも、彼の魅力なのでしょう。 『ノエイン』のキャラクターも、彼ならではのものです。動かす事を前提にしたシンプルなデザインで、リアルタッチであり、同時に不思議な味わいがある。ざっくりとした描き方もよいですね。

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    shinimai 2008/02/21
    岸田隆宏のキャラデザ
  • WEBアニメスタイル_COLUMN

    第参話の戦闘の事でミサトと対立したシンジは、それをきっかけにしてミサトのマンションを出てしまう。だが、彼はどこか遠くに行くわけでもなく、第3新東京市の周囲を歩き回る。まるでミサトに迎えてもらうのを待つように。「第四話 雨、逃げ出した後」は、「第参話 鳴らない、電話」の後日談であり、TVシリーズで唯一、庵野監督が脚の役職でクレジットされていないエピソードだ。元々第参話は、シリーズ構成では「初めての、TEL」というタイトルで、戦いの後でトウジとケンスケから電話がかかってくる話だった。「EVA友の会」に掲載された薩川昭夫の取材記事に依れば、当初の脚ではトウジとケンスケがエントリープラグに入り、そして、戦闘終了。シンジ、トウジとケンスケがそれぞれ別の部屋で怒られて、廊下に出たところで顔を合わせて笑い出す。つまり、第参話の段階でシンジはトウジとケンスケと友情を結ぶはずだった。ところが絵コンテを進

    shinimai
    shinimai 2007/09/10
    今回の新劇場版エヴァでは大きくカットされたところだが、庵野監督のオリジナルに戻ったということが分かった。
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