タグ

ブックマーク / morinorihide.hatenablog.com (10)

  • 『分析美学入門』解説エントリ2、分析美学とは何か、その二 - 昆虫亀

    『分析美学入門』解説記事、その2です。 今回は前回の続きとして、分析美学の60年代以降の発展をざっと(ほんとにざっと)書いていこうと思います。 60年代以降、分析美学は様々なトピックで議論を発展させていきますが、なかでも大きな発展をみせたのは、「芸術の定義」についての議論でした。これは64年のダントーの論文「アートワールド」が、ひとつの契機として挙げられます。(そこに至るまでの細かい流れもあるのですが、そのへんは『分析美学入門』の第五章を読むべし。) 私の見るところ、この芸術の定義の議論が発展したひとつの重要な要素は、芸術の価値についての議論と「芸術」というカテゴリーについての議論をちゃんと分ける、という姿勢が美学者たちの間でしっかり共有されたことだと思います。ダントーやディッキーは「価値が低い芸術作品も芸術ですよ」という考え方をしっかり保ちながら、芸術の定義を練り上げていきました*1 ま

    『分析美学入門』解説エントリ2、分析美学とは何か、その二 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2013/06/06
  • ポピュラー音楽の存在論における「トラック」概念について。Jaspmシンポジウムをうけての雑感。 - 昆虫亀

    先週日曜日は、Jaspmのシンポで今井晋vs増田聡さんのプロレスめいたシンポ(http://d.hatena.ne.jp/smasuda/20121108)がやってて、行きたかったんだけどまぁ参加費高いし(4000円!)予定もあったので今回は諦めるかー、と思ってたところ、さる徳のあるお方(八田さん@mhatta)がUstreamやってくださったので、それ聞いてたのでした。面白かったです。八田さん、わたし面識ありませんが、あらためて御礼申し上げます。 まぁ基的な感想はTwitter上ですでに述べたし、今井にもいろいろ感想伝えたので、まぁ今後の研究に期待すっか、という感じだったのですが、 というわけで来年も今井増田第二ラウンドやるよ!2013年は関西学院大に集合。男・八田に御礼のひとつもいわんとUSTタダ見したくらいであーだこーだゆうてる人たちにも是非現場に来ていただいて心ゆくまで呑んでサシ

    ポピュラー音楽の存在論における「トラック」概念について。Jaspmシンポジウムをうけての雑感。 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2012/12/12
  • 山形浩生氏の再反論をうけて。 - 昆虫亀

    さっそく再反論が来てました。 http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20120121 お忙しい中、わざわざありがとうございます。当に感謝しております。 この議論で世間の皆様がすこしでも美学に関心をもっていただけているようで、こういうマイナーな学問をやっている者としてはありがたい機会であります。 プラスチックの木でなにが悪いのか: 環境美学入門 作者:西村清和 勁草書房 Amazon でも相変わらず、山形氏は議論の問題設定を誤解されているようなので、ちゃんと書いておきますね。 1.山形氏の誤解 注意して欲しいのは、ここで議論されているのは 「いきなり目の前に人工物だか自然だかよくわからないものが出されたときに、それをわれわれはどのように判別し、どのように見ることができるのか?」という問題ではありません。 ちゃんと読んだひとはわかると思いますが、 ここで問題にな

    山形浩生氏の再反論をうけて。 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2012/01/22
  • 西村清和『プラスチックの木はなにが悪いのか』への山形浩生氏の書評 - 昆虫亀

    西村清和の『プラスチックの木でなにが悪いのか』について山形浩生が書評(のようなもの)を書いてる。 http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20120120 ただ、読み方があまりにひどい*1。 このひと議論の流れをまったく理解できてないどころか、そもそも哲学書の読み方を身につけてないんじゃないか、とも一瞬思ってしまったけども、まぁ一応たくさんを読んでらっしゃる人だし、英語も読める人だし、西村の書き方も悪い所がないわけではないので、一応、専門家の端くれとしてフォローしとかなきゃいけないな、とおもって書く次第。 いっときますが、個人攻撃ではありません。こういう誤読はよくあるし、このあたりの議論をこれまでちゃんと世間に紹介してなかった美学者にも責任があるのです。 このについては、以前のエントリも参照。 プラスチックの木でなにが悪いのか: 環境美学入門 作者:西村清和

    西村清和『プラスチックの木はなにが悪いのか』への山形浩生氏の書評 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2012/01/20
    仕事速いな。ちょっと書きましたhttp://d.hatena.ne.jp/shinimai/20120120
  • 美学会全国大会@東北大学の津上講演を巡る議論について一言 - 昆虫亀

    第62回美学会全国大会@東北大学、発表してきました。 みなさま、お疲れ様でした。3日間いろんなひとといろいろ議論できて楽しかったです。 今日のブログはちょっと長いです。 最終日に「たそがれフォーラム」という名目で三人の先生(津上英輔、小田部胤久、岡田温司)が発表されたのですが、 そのうち津上先生の講演について、変な発言がツイッター上で飛び交っていたので、ちょっと一言言っとかなきゃな、と思って。 あらかじめ言っておきますと、以下は津上擁護のための文章です。 まず講演について説明しておきます。 津上先生がひとつ写真をあげました。 「津波で家などがほとんどすべて押し流された後に、残っていたコンクリートのアパートの写真」 です。 閖上地区のアパートの写真でした。 晴れ渡った空のした、他の家や車などが皆なくなって、アパートだけがぽつんと建っていたわけです。 (ネットから似たような画像をちょっと探して

    美学会全国大会@東北大学の津上講演を巡る議論について一言 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2011/10/19
  • 分析美学の教科書紹介 - 昆虫亀

    三日前の「分析美学を学べる大学2011年度」のなかで予告していた、分析美学の教科書の紹介です。 一応お伝えしておきますが、わたしはここに紹介するの記述すべてを読み込んだわけではないです。 (そんなに教科書ばっか読んどるわけにもいかんのです。わたくし、たんなる一研究者でして、教科書マニアじゃない。) なので、間違いもあるかもしれません。 そして、かなり主観も入ってます。 そこんとこよろしくお願いします。 イントロダクション じゃあ、まずは入門書から。 今から挙げていくいくつかのは、どれもたくさんの著者が集まって書いてる入門書です。 なので、各章の著者によって読みやすさや、難易度は変わります。 ※2012/01/14追記 日語の入門書についてはこちらのエントリを参照⇒★ 一番のおすすめはこれです。The Routledge Companion to Aesthetics (Routled

    分析美学の教科書紹介 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2011/04/12
  • 分析美学を学べる大学2011年度(平成23年度) - 昆虫亀

    2011年度、分析美学の授業がある大学をまとめてみました。 まず、概論系の授業 東京大学 安西信一「美学入門」(夏学期、火曜3限)。 教科書はこちらRoutledgeのCompanion to Aesthetics, 2nd, ed. Berys Gaut and Dominic Mclver Lopes, 2005。 The Routledge Companion to Aesthetics (Routledge Philosophy Companions) Dominic Lopes Routledge 2005-07-28 売り上げランキング : 1050 Amazonで詳しく見る by G-Tools 上の文献の一章づつを、毎回担当者(複数の場合もありうる)を決め、要約し、発表し、全員で討論する。担当者はレジュメをあらかじめ用意すること。 具体的には次の項を読む予定:「芸術の定義」

    分析美学を学べる大学2011年度(平成23年度) - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2011/04/09
    やれといったことをやったのは偉い!
  • 輪島裕介『創られた「日本の心」神話――「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』 - 昆虫亀

    輪島裕介『創られた「日の心」神話――「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』(2010、光文社新書)が、めちゃめちゃ面白い。 創られた「日の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史 (光文社新書) 輪島 裕介 光文社 2010-10-15 売り上げランキング : 34668 Amazonで詳しく見る by G-Tools 僕は演歌とかあまり詳しくないので、この読むだけでもいろいろ勉強になるんだけど、これ、youtubeなどで聴きながら読むとすごい面白いよ!! 情報が詰め込まれすぎて(さすが輪島先生である)、全部の曲を聴くのは大変ですが、いくつかピックアップしてまとめとくので、皆様ご活用ください。 秋の夜長にオススメ。 とりあえず、目次 はじめに 第一部 レコード歌謡の歴史と明治・大正期の演歌 第一章 近代日大衆音楽史を三つに分ける 第一期 レコード会社専属制度の時代 第二期 フリーランス

    輪島裕介『創られた「日本の心」神話――「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2010/11/02
  • 想像的抵抗について - 昆虫亀

    こないだの日記で触れた、「想像的抵抗Imaginative Resistance」という概念が分かりにくいと言われたので少し捕捉しとこうと思う。 想像的抵抗というのは、「非倫理的な命題(たとえば「嬰児殺しは善だ」という命題)を想像しようとしたときに、あまり想像力が喚起されない、つまり、あまり活き活きとした内容のあるイメージが湧かない」、という現象とされる。 まずここで、「嬰児殺し」そのものが想像しにくいと言っているのではなく、「嬰児殺しが善だ、すばらしいのだ」という価値評価を含んだ命題が想像しにくいと言っていることに注意しときますね。(単に「母親が赤ん坊コロス」ってだけの記述的命題に関しては想像的抵抗は起こらない、という考えです。) ここで、そもそも「〜が善だ」とか「〜が良い」とか想像できんの?って疑問を持つ人がいるかもしれない。 「善」とか「良い」とか想像できなくね?って疑問は、もっとも

    想像的抵抗について - 昆虫亀
  • フィクションが現実の事件へもたらす影響について。 - 昆虫亀

    最近、猟奇事件ゲーム漫画などのフィクション作品に安易に連結する報道をチラホラ見かける。 「犯人は変な漫画読んでました!」って報道ですね。 ちょうど最近読んでいるいくつかの論文が、「物語のフィクション性が道徳や想像力とどのような関係を持つか」というテーマのものだったので、考えたことをいくつか記しておこうと思う。 参考サイト↓ http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20080114/1200283195 http://www.nx.sakura.ne.jp/~haituu/nhktv.htm http://mainichi.jp/select/today/news/20080113k0000m040103000c.html 気になったのは、作品が事件に影響するか否かという点ではない。(そんなものケースバイケースだと思う。) むしろ、その影響のさせ方についての考察が不十分

    フィクションが現実の事件へもたらす影響について。 - 昆虫亀
    shinimai
    shinimai 2008/01/15
    彼が意見したかに、俺もなんらかのエントリを書こうかな。
  • 1