「嘘つきは経済学者の始まり」という諺があるが、コンサルタントも入れるべき。 中の人として働いたことがあるので、その手法は分かってる(まとめ:[そろそろコンサルタントについて一言いっておくか])。だから本書は、徹頭徹尾、黒い笑いが止まらない。騙される幹部が悪いのだが、振り回される社員はたまったものではない。ファームであれジコケーハツであれ、理論武装を「外」に求める人は、予習しておこう。あるいは、コンサルティングを「説得の技術」と捉え、逆にそこから学ぼう。 本書は、マジシャンが種明かしするようなもの。コンサルタントの方法論である「適応戦略」や「最適化プロセス」「業績管理システム」は、役に立たないどころか、悪影響にもなると暴きたてる。著者は経営コンサル業界で30年も働いて、いいかげんこの「お芝居」にウンザリして、懺悔の名を借りた曝露本を出したという。その具体例が生々しい&おぞましい&あるある。
長くなりすぎたこのエントリのレジュメ …というか、見出しの一覧。これ見てご興味ある方はお読み下さいませ。 マネジメントの4つの本質 マネジメントおける簡潔で痛切なエッセンス(一部) 設計とデバッグに関する恐ろしい事実 残業と生産性とプレッシャーに関する恐ろしい事実 生産性の測定について 管理者の怒りについて 会議を効率よく行うための、たったひとつの冴えたやりかた 大事なことが、ずばり書いてある。背中を押したのは「ソフトウェア開発の名著を読む」なんだけど、確かに名著だ。初読は物語を楽しみ、再読、再々読で血肉にすべきだな。 延ばし延ばしにしてた一冊を読み始めて「どうして今まで読まなかったんだあぁぁっ」と叫びだすような逸品がある。本書がまさにそう。デマルコは「ピープルウェア」がピカイチと決め付けてた自分が恥ずかしい。 「ピープル」がプログラマ・チームリーダーの視点で書いているが、「デッドライン」
佐藤:人は何かを見たり、誰かの話を聞いたりした時、心の中で「観察」「分析」「洞察」「表現」というサイクルが回っているんですよ。観察とは情報に触れること、分析とは何かと比較対照して評価すること、洞察はそれをより深めることで、そうして達した結論を何らかの行動として表現するんです。 ところが人によっては、分析や洞察というステップがすっぽり抜け落ちて、観察したことをそのまま口に出すしかできない。「トラブルが起きました。お客様は怒ってます」とかね。これを私は「こうなってますおじさん」と呼んでいます(ITpro『「こうなってます」は何も言っていないのと同じ』) 。 お客さんが怒ってるかどうか見に行かない人よりはましだけど、今起きている現象がどの程度悪いのかとか、なぜそういうことが起きたのかを考えないので、事態収拾に全く役に立たない。こういう人は、部下にとって頼れない上司であるだけでなく、彼自身の上司か
ある程度の規模のシステム構築プロジェクトになると、協力企業の社員を加えて体制を構築する。システムの規模が大きくなればなるほどこの傾向は強く、場合によってはプロジェクトメンバーのほとんどが協力企業の社員で占められ、自社の社員はほんの数人ということも珍しくない。 このようなプロジェクトでは協力企業の支援が不可欠であり、それなくしてはプロジェクトを成功に導くことは困難である。つまり、協力企業の社員はシステム開発プロジェクトにおいて極めて大きな役割を担っている。 しかし、PM(プロジェクトマネジャー)の中には、プロジェクトが順調に進んでいる間は協力企業と円滑な関係を保つ一方で、プロジェクトが火を噴くと手のひらを返したように協力企業の社員を邪険に扱う人がいる。このようなPMは問題が起こるたびに協力企業の社員を呼びつけて怒鳴ったり罵倒したりする。そういう場面を目にするたびに、「プロジェクトの責任は、全
時間の無駄? 進捗会議が泥沼にはまる理由:新任PMがついやってしまうNG集(3)(1/2 ページ) 1人で仕事をしているプログラマ時代は、ばりばり仕事がこなせたのに、PMになった途端に仕事がうまく進まない! そんな新任PMの悩みを解決するTipsを紹介します。 会議は「時間の無駄」ですか? 管理ツールや報告書を見ている限りにおいては、メンバーの仕事は何事もなく順風満帆に進んでいるように見えます。進捗(しんちょく)率も予定どおり推移中。 しかし、「進捗率」の数字なんて当てにはなりません。そのことに、あなたもうすうす気が付いているでしょう。実際、進捗会議で確認してみると、予定どおりの数字と実態がまったく違っていたり、問題が山積みだと発覚することはよくあります。その事実についてメンバーが指摘すると、「そもそも仕事が忙しすぎるのが悪いんですよ!」と逆ギレされて、進捗会議が泥沼にはまってしまう……そ
この法則は、チームメンバー人選に関する法則である。オペレーションズリサーチの初期の名著にあったと記憶している。 将兵は「リコウかバカ」「マジメとズボラ」に区分できるが、 “リコウ・ズボラ”は将校にせよ “リコウ・マジメ”は下士官にせよ “バカ・ズボラ”は炊事当番にせよ “バカ・マジメ”は絶対にメンバーに入れてはならない! というのだ。 情報システムの開発や保守にかかわる費用は、ブルックスの法則により、規模の指数乗に比例して増大する。それに対して、情報システムの効果はパレートの法則により、機能(規模)の対数に比例して増大するだけである。このことから、上図に示すように「利益=効果?費用」が最大になる規模が最適規模だと言える。 「ユーザーが必要なニーズを上げてこない」と嘆いたのは昔の話だ。現在では、ユーザーが多様な要求をしてくるし、IT部門はそれを至上命令として受け入れる傾向がある。そのために、
伸びるエンジニアについて という日記を見た。面白かったので私の知っている条件を書いてみる。 自腹で技術書を買っていること これは私も同意する。 別に会社の金で買っても構わないが、会社の金で買うという事は、 資料を欲しいと思った瞬間に入手しその内容を一気に理解する、 という瞬発力に欠けるということだ。 あと、技術書と言うのははっきり言って暗記するものではない。 覚えられないのだから手元においておく必要があるのだが、 移動などで本と切り離される可能性は高い。 結果、本は自分で買ったほうが後々有利である。 例外は「入門書」と言われるものと、 ごく一過性の技術に関するもの。 入門書はどうせ一度しか読まないし、 読み終わって後輩が必要になったらそいつに押し付けるものだ。 それは会社のものにしておいたほうが良い。 一過性の技術は本と離別する前に技術が廃れるし、 そんな技術を身に付けてもしょうがない事の
プロジェクトに問題が起きたり、失敗したりするのには、多くの理由があり得る。上司がその訳を聞いてきたときに、言い訳をするのと、正当な理由を示すのでは、天と地ほどの違いがある。言い訳はほとんどの場合、単に上司を苛立たせ、あなたに責めを負わせるだけだ。この記事では、部下が上司に言うことの多い言い訳を10個挙げることにする。このリストを裏返せば、プロジェクトが危うくなる前に、上司から問題解決のための助力を得る方法が分かってくるはずだ。 1.指示が理解できていなかった すべての上司が最高のコミュニケーションスキルを持っているとは限らない。そして、すべきことの説明がうまくない上司を持つと、苦労は増える。しかし、上司の説明が下手だということを、仕事ができなかった言い訳にしても通用しない。もし指示に意味が通らなければ、本当は何をすべきかを明らかにするのがあなたの責任だ。もし、2度以上そんな状況を体験したら
「はやぶさ」の話で思い出したけど、直接は関係ない。むしろ、某プロジェクト–つまり、我が身のこと。 定期的に予算見直しがあるプロジェクトがつつがなく成功している場合、 プロジェクト費はプロジェクトが続行不可能になるまで削られる という法則があるようだ。 某プロジェクトは、医療ネットワーク化のプロジェクトでは、日本でほぼ唯一の成功したプロジェクトと言っても過言ではない。多くのこの手のプロジェクトは、誰が主導であったかに関係なく、「やった」というだけだったり、せいぜい市町村規模であったりで、これ程の規模でそれなりの正解を出したものはない。 このプロジェクトはかれこれ10年以上やっているのだが、ごく初期を除けば年々予算が削られている。まぁ、このプロジェクトが「ものづくり」であるなら、一度完成してしまえば、後は維持運用ということになり、開発費が削られるのは、ある意味妥当ではある。 実はこのプロジェク
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