どんなことを聞いても何でも知っている、そんな知識豊富な人を「生き字引」と呼ぶが、世界には登録された人を「生きた本」として貸し出す図書館「ヒューマンライブラリー」があるそうだ。利用者は彼らを借りて、直接話を聞くことができるのである。 「本」となる人は紙の本同様、分野ごとに登録されている。だが、特徴的なのは「本」のバックグラウンドが難民、元不良、拒食症の患者、女装家、HIV感染者など偏見や誤解を持たれやすい人々ということだ。 「本」の借り方はごく簡単。まずはヒューマンライブラリーの目録から、読みたい「本」を探し手続きをするだけだ。館内で40~45分、「本」と話をすることができる。彼らを尊重するというルールさえ守れば何を聞いてもよいそうだ。 自分では体験できない生の情報を得ることができる。ヒューマンライブラリーを実施しているスイスの図書館員も「彼らは『本』と同じですよ、どんどん借りてください」と