企業システムを担当するITエンジニアにとって、今ほどクライアント環境の選択に悩まされる時代はないだろう。大きく三つの課題が同時に迫ってきているためだ。 一つめの課題は、「多様な端末を使いたい」という、利用部門や経営層からのニーズである。これまで、企業のクライアント端末といえば、ほぼWindows PC一色だった。しかし、今ではスマートフォンやタブレットなど、業務で使える端末が増えた。主にコンシューマー市場向けに作られた製品の使い勝手の良さを知った利用部門などが、業務での利用を望んでいるのだ。 二つめの課題も、利用部門や経営層からのニーズである。「どこからでも社内システムにアクセス可能にしてほしい」というものだ。一つめの「多様な端末」のニーズとあいまって、システム全体の利便性向上を求める要望である。さらに今年3月の震災後は、BCP(事業継続計画)強化の一環としても求められている。 三つめは「
