無罪判決を受け、記者会見で笑顔をみせる岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長(左)=5日夕、名古屋市中区で(小沢徹撮影) 岐阜県美濃加茂市のプール水浄化設備導入をめぐる汚職事件で、事前収賄などの罪に問われた市長藤井浩人被告(30)に対し、名古屋地裁は五日、「贈賄側の供述の信用性に疑問があり、現金授受があったと認めるには合理的疑いが残る」として無罪(求刑懲役一年六月、追徴金三十万円)の判決を言い渡した。全国最年少市長による収賄事件として注目されていた。検察側は控訴するとみられる。 贈賄側の業者中林正善受刑者(44)は贈賄と詐欺の罪で懲役四年の判決が確定しており、司法判断が分かれた。藤井被告は捜査段階から一貫して「現金は一切受け取っていない」と無罪を主張。中林受刑者の「二回に分けて計三十万円を渡した」との供述の信用性が最大の争点となっていた。 鵜飼祐充(ひろみつ)裁判長は判決理由で、中林受刑者の供述を