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かつて、ごく短い期間ではあるが親密な間柄であった女性から、「妖精の声が聞こえる」という告白を受けたことがある。最初は冗談だと思って聞き流していたが、当人は至って真剣で「声どころか姿が見えることもある」と、何かが張り付いたような表情で語り始めたので、何やら怖くなって話をそこで打ち切ってしまった。その後、徐々にその女性とは疎遠になり、結局は関わりを持たなくなった。彼女との関係がなくなった原因は、長い間、その話をしていた時の彼女への恐怖心にあると思っていた。耳元で聞こえてくる彼女の声や、妖精の姿について語っている時のどこかおぼつかない表情、まるで限りなく深く吸い込まれそうな孔(あな)のような暗く光る両目。ただ、それなりに時間が経過した今、過去の出来事としてそれを思い出してみると、彼女の表情がそこまで異常であったのかどうかの確信が持てない。はたして彼女の眼差しが本当に病的だったのか。あるいは、その
『さよならを教えて』(以下『さよ教』)は2001年、CRAFTWORK制作の18禁ゲームである。その筋書は単純だ。主人公・人見広介が教育実習のため訪れた女子高で狂気に駆られ、生徒や教師たちと異常な性的関係を結んでいく。これだけなら凡百の「鬼畜ゲー」と変わらない。しかし最終的には全てがもともと狂気に憑かれていた人見の妄想で、女子高は病院、生徒はカラスや野良猫、あるいは捨てられた人形や資料室の標本に過ぎないことがわかる。指導教官は見舞いに来た姉で、何かと世話を焼いてくれた保険室の女医は彼の主治医である。 狂気を彩るのは、一見バグにしか見えないような画面上の演出だ。バグにしか見えなかったために初動での評判は散々で、制作会社は倒産。のちに熱心なファンによる評価が確立してのちは、今に至るまで中古市場での価格が異常に高騰している。 たとえば、実際は捨てられた人形である女生徒・上野こよりとのある会話場面
気鋭の批評家/情報環境研究者でありながら、重度のアイドルヲタクとしても知られる濱野智史氏が、新規結成アイドルグループの総合プロデュースをすることを発表し、その第一期生を募っている。情報環境に関する研究を専門としている濱野氏がプロデュースするというだけに、IT機器やWEBメディアを駆使した、これまでにないアイドルグループの結成が期待されているが、実際のところ、どのような構想が練られているのだろう。インタビュー前編では、アイドルグループを作ろうと考えたきっかけから、現在抱いている計画まで、大いに語ってもらった。 ——濱野さんはこれまでAKB48や地下アイドルの熱心なファンであることを公言し、『前田敦子はキリストを超えた』などの評論も発表してきました。それが今度、新規結成アイドルグループの総合プロデューサーをつとめることになった経緯とは? 濱野智史(以下、濱野):僕はこれまで評論家をやってきて、
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