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さよならの不可能性について――『さよならを教えて』小論 « 機関誌「xett」 « 学生の活動 « 早稲田大学 文化構想学部 表象・メディア論系
『さよならを教えて』(以下『さよ教』)は2001年、CRAFTWORK制作の18禁ゲームである。その筋書は単純だ... 『さよならを教えて』(以下『さよ教』)は2001年、CRAFTWORK制作の18禁ゲームである。その筋書は単純だ。主人公・人見広介が教育実習のため訪れた女子高で狂気に駆られ、生徒や教師たちと異常な性的関係を結んでいく。これだけなら凡百の「鬼畜ゲー」と変わらない。しかし最終的には全てがもともと狂気に憑かれていた人見の妄想で、女子高は病院、生徒はカラスや野良猫、あるいは捨てられた人形や資料室の標本に過ぎないことがわかる。指導教官は見舞いに来た姉で、何かと世話を焼いてくれた保険室の女医は彼の主治医である。 狂気を彩るのは、一見バグにしか見えないような画面上の演出だ。バグにしか見えなかったために初動での評判は散々で、制作会社は倒産。のちに熱心なファンによる評価が確立してのちは、今に至るまで中古市場での価格が異常に高騰している。 たとえば、実際は捨てられた人形である女生徒・上野こよりとのある会話場面
2013/02/14 リンク