『ハンナ・アーレント』という映画を神保町の岩波ホールで観た。平日の昼間なのでどうせそんなに客は入っていないだろうとタカをくくっていたら、思いのほか劇場は中高年のカップルで満席。上映前にチケットが売り切れてしまうほどの反響だった。 イェルサレムのアイヒマン 映画は、ユダヤ系哲学者のハンナ・アーレントが著した『イェルサレムのアイヒマン』というレポートを巡る騒動の一部始終を描いている。物語は、1960年、中南米に逃れていた元ナチス党員アドルフ・アイヒマンをイスラエル当局が捕縛するシーンから始まる。彼は、ナチス政権下のドイツにおいてホロコーストの指導的役割を果たした人物として指名手配中だったのだ。アイヒマンは、イスラエルの首都エルサレムに移送され収監される。アーレントは、アイヒマンの裁判を傍聴するため、エルサレムに向かう。 アイヒマンはエルサレムにおいて現地のユダヤ人たちから「野獣」と呼ばれていた
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