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ブックマーク / technique.hateblo.jp (10)

  • 超越の経験的生成のために - Freezing Point

    山森裕毅『ジル・ドゥルーズの哲学: 超越論的経験論の生成と構造』*1 國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理 (岩波現代全書)』 それぞれ数日をかけながら、二冊を一気に通読しました。 印象的だったのは、これまでドゥルーズ論の多くが (1)過剰に詩的 か、 (2)過剰にイデオロギー的 だったのに対し、 お二人がともに、できるだけ散文的に、イチから説明し直す努力をしておられたこと。それは、隠語に頼るのではなく、隠語そのものを説明し直すような作業で、理解しにくい箇所は残るものの、勉強になりました。これからも読み直すと思います。 今回は、通読したことで出てきた疑念(これから自分が扱わざるを得ないポイント)について、メモします。それぞれが渾身の単著なので、同時に扱うのは失礼かもしれませんが、浮かび上がったのは、同じ一つのモチーフでした。 まとめてみると、次のようなことです。 発生や習得を扱いながらも、ドゥ

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    showgotch 2013/07/06
  • 「アナコーレーシス anakhôrêsis」=「ひきこもり」? - Freezing Point

    ミシェル・フーコー講義集成〈11〉主体の解釈学 (コレージュ・ド・フランス講義1981-82) 作者: ミシェル・フーコー,廣瀬浩司,原和之,Michel Foucault出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/01/20メディア: 単行 クリック: 17回この商品を含むブログ (17件) を見る 訳者のおひとり、廣瀬浩司氏*1のつぶやき: @parergon2: フーコー『主体の解釈学』に、しばしば自己へのretrait という言葉が出てきますが、これを「自己へ引きこもること」と訳すのは自粛してしまったのは正しいかったどうか?? 2012-07-16 20:27:49 via web 確認してみました(改行・強調は引用者による)。 この自己の技術テクノロジー)に属するまた別の技術、手続きとしては、退却(retrait)の技術があります。これについては西欧の霊性全体において、非

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    showgotch 2013/02/07
  • 「アイデンティティ拡散症候群」と、「ひきうける」構図の改変 - Freezing Point

    小此木啓吾『モラトリアム人間の時代 (中公文庫 M 167)』p.33-4より。 もとの文章は、1970年代の後半に書かれている。 小此木自身によれば、彼が「モラトリアム人間」という言葉をつくったのは1971年とのこと。 このような青年期=モラトリアムの延長に伴う、種々の心理学的問題を1950年代にいち早く指摘したのが、かのエリクソンである。ただし、エリクソンは、正常な“青年”についてではなく、何らかの精神障害のために、いわば受身的に、青年期後期に決別することができないまま、ずるずるとモラトリアム状態をつづけてしまう人々に特有な精神病理学的状態としての「アイデンティティ拡散症候群」について記載したのである。 「アイデンティティ拡散症候群」とは、青年期に決着をつけ、オトナ社会に自己を位置づけ、限定することによって確立されるべきアイデンティティ=自己限定=社会的自己定義が、何らかの理由でできな

    「アイデンティティ拡散症候群」と、「ひきうける」構図の改変 - Freezing Point
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    showgotch 2012/12/27
  • 笑いと権力について - Freezing Point

    contractio 氏、「正しいこと言いたいなら 笑いか権力、どっちか取らなあかんで」(togetter) お忙しいところ、お返事ありがとうございます。 【※エントリに頂いたお返事も、togetter に追加しました。】 私は 《権力》 という言葉を、「領土的な反復や強制力」というぐらいの意味で使っていました。 集団のなかで自分だけが笑えない場合、その場に反復される《笑いのスタイル》に、どうしても入っていけない。 これはマイノリティだけでなくて、例えば 「とんねるず⇔ダウンタウン」 のように、それぞれがお笑い強者のはずなのに、同席すると笑えない、ということがあります。 つまり、ある解釈のフレームがその場を支配する必要があって、それが軋み(きしみ)を起こすと、笑えない。私はそこに、権力の話との重なりを読みとったのでした。 周囲が笑っているのに、自分が笑えない場合、それが お笑いのスタイル

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    showgotch 2012/07/22
  • 仏教徒: 「ポストモダンて何もしてない」 - Freezing Point

    『ビッグイシュー(168号)』に、中島岳志氏と、 『お寺カフェ』*1、『彼岸寺』*2 の松圭介氏 の対談が掲載されている(参照)。 仏教については、虚無をめぐる考え方がずっと気になっているのだが、 父が死んだときの葬儀屋と僧侶が、あまりに耐え難い人たちだった 俗世秩序を単に肯定し、変革を否定する抑圧思想ではないかという疑念*3 などから、少なくとも現存する社会インフラとしては、「巻き込まれてはたまらない」と思っていた*4。 以下、上の記事より(強調は引用者): 中島岳志: 私は今36歳なので、20歳の時が95年なんですね。松さんは? 松圭介: 79年生まれ、31歳です。 中島: 95年にオウム真理教事件と阪神大震災があったんですが、私はポストモダンの延長上にある思想に非常に違和感を覚えていて、親鸞とか保守思想みたいなところに軸足を置いていったんです。松さんが学生だった90年代後半は

    仏教徒: 「ポストモダンて何もしてない」 - Freezing Point
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    showgotch 2011/06/03
    そうなのよね、だからむやみに毒をはくのをやめた
  • 8月15日放送「青春リアル」を見て - Freezing Point

    もとになった掲示板のやりとり: 「“部屋の雨戸”を一緒に開けてください」(書き込みは900件以上ある) 番組は、15年間ひきこもった29歳の男性「キャベツ」を、18歳の女性「早貴」が批判するいきさつからまとめられていました*1。 あの放送を素材にして、討論できるといいのですが・・・。 早貴や一部のメンバーは、キャベツが「子どもっぽい」というのだが、彼が引きこもっていた時間は、幼稚園〜高校の13年間より長い。 それは臨床的に検証すべき長さなのだが、周囲はそれを受け止めきれていない。 「ひきこもっていたこの男は幼い」というのは、事実として全く正しいのだが*2、それをそのまま指摘しても、臨床的に意味のある取り組みにならない。 「若く有能で祝福される早貴に比べ、年老いて幼稚なキャベツはどうしようもない」――そういう自意識そのものが、社会参加を阻害する苦痛の機序になっている。 「どうすれば受け入れて

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    showgotch 2009/09/16
    キャベツ問題は複雑。それこそ日本の農業問題並み。そのうち「社会生活始めました」なんていう明るい報告が来るのを期待したい
  • 「pédagogie institutionnelle」(制度主義教育論 or 制度を使った教育学) - Freezing Point

    学校教育を変える制度論―教育の現場と精神医療が真に出会うために 作者: 三脇康生,佐藤学,岡田敬司出版社/メーカー: 万葉舎発売日: 2003/08/01メディア: 単行購入: 4人 クリック: 37回この商品を含むブログ (9件) を見る制度を使った方法論の、教育での取り組みを扱っている。 訳語:「制度論的教育学」 人間形成にとって共同体とは何か―自律を育む他律の条件 作者: 岡田敬司出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2009/02メディア: 単行購入: 4人 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る訳語:「制度主義教育論」(p.103)、 「制度主義精神医療」(p.104)

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    showgotch 2009/06/17
  • 書評:『「ひきこもり」への社会学的アプローチ』(ミネルヴァ書房) - Freezing Point

    ひきこもり」への社会学的アプローチ―メディア・当事者・支援活動 作者: 荻野達史,川北稔,工藤宏司,高山龍太郎出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2008/12メディア: 単行購入: 4人 クリック: 46回この商品を含むブログ (11件) を見るhttp://booklog.kinokuniya.co.jp/ito/archives/2009/05/post_23.html 評者は伊藤智樹氏で、「セルフヘルプ・グループにおける人々の語り」を研究されているとのこと。 私は今、ひきこもりに興味を持つ方に、真っ先に書をお薦めしています。

    書評:『「ひきこもり」への社会学的アプローチ』(ミネルヴァ書房) - Freezing Point
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    showgotch 2009/06/16
  • 参加の実態分析? - Freezing Point

    『概念分析の社会学 ─ 社会的経験と人間の科学』pp.262-5、酒井泰斗(id:contractio)氏による「おわりに」より(強調は原文): 社会的秩序は、そのもとで暮らす人々が実際に規範を運用することをつうじて作り上げられているのだから、その運用のあり方を記述することは社会学的研究なのである。 (略) 書の分析が、行為や活動や経験における理解可能性を獲得するために人びとが実際に用いている概念を手がかりにして行われていることを示すためには、私たちとしては、「概念分析」という言葉を手放すわけにもいかなかったのである。だからもう一度強調しておきたい。「社会的実践の概念分析」は「規範の運用技能・運用方法の記述的解明」に照準を合わせている。 「概念分析」は、理論装置や説明図式を与えるものではない。したがって、こうした研究は「理論の適用(と検証)」という形をとることができないし、まとまった議論

    参加の実態分析? - Freezing Point
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    showgotch 2009/06/12
  • つながりと実存、社会化と承認をめぐるメモ - Freezing Point

    《社会参加臨床》を考えるなら、ここらへんの原理論をやらない人は、ご自分の思い込みや党派性に巻き込んでいるだけです。 うかつに臨床を語れば、ベタな医療目線に終わってしまう。 ある議論事業には、コミュニティ形成機能がある*1。 議論事業の措定が、実存を安定させ、コミュニティをつくる。 議論事業の枠内にいるかぎり、その前提部分は見えてきにくい。 「感染」を説く宮台真司と、嗜癖的な没頭を推奨する斎藤環は、処方箋として同じ話をしている*2。 ご自分を「成功した側」に置き、「対象は何でもよいから、魅惑されなさい」。 ここでは、《入門》という苦痛に満ちた境界線がモチーフにならず、「成功した入門後」*3は分析されない。 コミュニティについても実存についても、反復される「内側からの制作過程」*4が主題にならない。 「結果的に成功した状態」が範例として示され、「あんなふうになればいい」とのみ推奨される。 これ

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    showgotch 2009/05/31
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