山森裕毅『ジル・ドゥルーズの哲学: 超越論的経験論の生成と構造』*1 國分功一郎『ドゥルーズの哲学原理 (岩波現代全書)』 それぞれ数日をかけながら、二冊を一気に通読しました。 印象的だったのは、これまでドゥルーズ論の多くが (1)過剰に詩的 か、 (2)過剰にイデオロギー的 だったのに対し、 お二人がともに、できるだけ散文的に、イチから説明し直す努力をしておられたこと。それは、隠語に頼るのではなく、隠語そのものを説明し直すような作業で、理解しにくい箇所は残るものの、勉強になりました。これからも読み直すと思います。 今回は、通読したことで出てきた疑念(これから自分が扱わざるを得ないポイント)について、メモします。それぞれが渾身の単著なので、同時に扱うのは失礼かもしれませんが、浮かび上がったのは、同じ一つのモチーフでした。 まとめてみると、次のようなことです。 発生や習得を扱いながらも、ドゥ