縄文人のゲノムが現代人並みに解読された 古代人の顔つきばかりか、体質や性格までもが分かる時代に 米山正寛 ナチュラリスト 縄文人が核に持っていた全ての遺伝情報(ゲノム)が、国立科学博物館など国内7機関の共同研究で初めて現代人並みの高精度で解読され、その結果が日本人類学会の英文誌Anthropological Scienceで公表された。解読の対象となったのは、北海道礼文島にある船泊遺跡から1998年の発掘で出土した、約3500~3800年前(縄文時代後期)の23号人骨(女性)だ。解読成功の話はすでに昨年から断片的に伝えられていたが、論文の公表を機に、ここから何が得られて、今後にどんな展開が待ち受けているのかを、改めて整理してみたい。 現代人・古代人のゲノム研究の主な経緯(国立科学博物館による) 2003年 国際協力による現代人のゲノム完全解読完了 2010年 日本人のゲノム完全解読 2