2004年、Game Developers Conferenceから帰ってきた妻が、突拍子もない話を聞かせてくれた。登壇した講演者が、米国とメキシコの国境に搾取工場を建設して、低賃金労働者にEverquest(訳注:1999年にローンチしたMMORPG)の反復作業をさせてバーチャルゴールドを集め、それをEbayで怠惰な富裕層プレイヤーに売りさばいたと話していたのだという。 その講演者は有名なホラ吹きだったので、当時はみんな半信半疑だったが、私の想像力は掻き立てられた。キーボードの前に座り、上司の目を盗んで書き上げたのが、国境を越えたゲーム内労働組合を結成する「ゴールド・ファーマーズ」の物語、『エインダのゲーム』だ。 https://www.salon.com/2004/11/15/andas_game/ 意外にも『エインダのゲーム』はヒットした。その年のベスト・アメリカン・ショートストーリ