1986年のビジネスショーに、光ディス クなどを活用した電子ファイリングシ ステム「SIOS」を出品 ソニーのデジタル技術、そして、デジタル技術を必要とするコンピューターへの取り組みは、意外に古い。 1967年に発売したSOBAX(ソバックス)という電卓が、いわばソニーのコンピューターの芽生えとなるものだったが、1972年に他社との価格競争の中で電卓ビジネスからの撤退を決意し、その芽は摘み取られた形となった。トランジスタをスイッチング素子に利用したSOBAX自体は、ポータブルコンピューターへの取り組みへのきっかけとなったものの、ソニーの中でビジネスとして育たなかったのである(第1部第13章2話参照)。 世の中では、1971年にビジコン社と米インテル社がマイクロプロセッサーを共同開発。その後パーソナルコンピューター(以下パソコン)が登場するなど、デジタル化傾向が着実に進んでいくのだが、ソニー