明日香村や橿原市などが世界遺産登録を目指す飛鳥・藤原地域の主要な史跡や遺跡について、解説した初の事典「飛鳥史跡事典」(吉川弘文館刊)が出版された。日本書紀や万葉集に出てくる宮殿や邸宅跡、寺院など約170項目を収録。地図や史跡巡りのモデルコース、展示施設なども紹介しており、歴史探訪に最適の1冊だ。(早川保夫) ◇4地域に分類 特徴やつながり解説 地元の発掘担当者や研究者ら30人が執筆。「飛鳥の宮殿・寺院」「飛鳥の陵墓・古墳」「藤原宮と周辺」「 磐余 ( いわれ ) ・阿部と周辺」の4地域ごとに分類し、地域の特徴や遺跡同士のつながりなどを説明している。 明日香村から高取町にかけて広がる小丘陵「 真弓岡 ( まゆみのおか ) 」については、斉明天皇の本当の墓とされる 牽牛子塚 ( けんごしづか ) 古墳(明日香村)や、天武・持統両天皇の子、 草壁皇子 ( くさかべのみこ ) が葬られたとみられる