【パリ福原直樹】国内を放浪するロマ族や「非定住者」の違法キャンプの撤去や、移民出身の犯罪者に対する「国籍はく奪」などの政策を打ち出したフランスのサルコジ政権に対し、国内外から「外国人や移民の排斥だ」との強い批判が出ている。国連の差別撤廃委員会では「ナチスまがいの政策」との異例の強い意見が出た。15日には、ロマ族などが高速道路を車両で一時封鎖しサルコジ政権に抗議した。 仏では7月、アラブ系の移民や、国内を放浪する「非定住者」が、警官に発砲したり商店を略奪する暴動が起きた。これに対しサルコジ大統領は(1)違法キャンプ撤去(2)移民出身者が警官を殺害した場合の国籍はく奪--などの方針を表明。仏政府幹部はイスラム教に基づく「一夫多妻主義」を実践する移民の国籍はく奪も示唆した。 だが、仏の状況を審議する国連差別撤廃委では先週、多くの委員が「人種や出身による差別の強化だ」と批判。「仏政府幹部には差別撤