また自虐マンガだと思っただろう?――これは違うのだ。 このとても控えめなデザインの子が主人公である。(渡邉ポポ『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』1巻より) 埼玉県はなぜこうもディスられ慣れているのだろうか。そう、これもまた『翔んで埼玉』などに連なる“埼玉ディス”のマンガのひとつである。 だが、たしかに卑屈ではあるが、ただの自虐ギャグマンガではなく、密かに、控えめに、それでいて堂々と埼玉の魅力を発信している。イメージ的には平均Aカップで知られる埼玉県民が、それでも胸を張っているような、そういうある種の凛々しさがある。 卑屈が染み付き、息をするように自虐できる主人公を中心に、そんなことはない、埼玉にもいいところはあるとちょっとポジティブな同級生や、東京から越してきた同級生など、ゆるーーーっとだべっているだけなのだが、それがとても心地よく、いつの間にか埼玉の温かさに包まれているような、そんな