ジェイテクトでは現在、数百W級の燃料電池の開発を進めており、社内での利用を計画している。さらには1kW級の開発を進め商品化を目指す。用途としては照明、通信用電子機器などの電源をはじめ、非常用電源、遠隔地電源、さらには住宅や施設向けの小型分散電源としての用途を見込むとしている。 関連記事 低コストな再エネ水素の製造法、ENEOSらが実用レベルでの技術検証に成功 ENEOS、千代田化工建設、クイーンズランド工科大学(QUT)の3者が、2018年から取り組んでいるCO2フリー水素のサプライチェーン構築実証において、実際に使用できるレベルまで規模を拡大し、燃料電池自動車(FCV)への充填(じゅうてん)に成功したと発表。低コストなCO2フリー水素のエネルギー活用を後押しする成果だという。 水素関連の国内市場規模、2035年度には268倍の4.7兆円規模に 調査会社の富士経済は、次世代燃料として期待さ
九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所および同学大学院工学研究院に所属する小江誠司主幹教授らを中心とする研究グループは、田中貴金属工業株式会社との共同研究により、燃料電池と太陽電池を融合する同一触媒の開発に成功した。 小江教授は、自然界から研究のヒントを得たと話す。すなわち、光がない時(夜間)は水素を電子源とする水素酵素のように、光がある時(昼間)は水を電子源とする光合成のように駆動する触媒・電池のアイディアを思いつき、本触媒の開発に至った。将来的には、この開発をきっかけとし、夜間は水素を、昼間は水を燃料として車が走る時代が到来することを期待する、と話している。 論文情報:【ChemCatChem】A Fusion of Biomimetic Fuel and Solar Cells Based on Hydrogenase, Photosystem II, and Cytoc
“究極のクリーンエネルギー” 水素は、よく、そう表現されます。二酸化炭素を出さない次世代エネルギーの本命とも言われます。ただ、今、日本で利用されている水素エネルギーは、実は製造過程で二酸化炭素が発生し、理想を完全には実現できていません。さらに期待したほど普及が進まず、厳しい現実に直面しています。“水素社会”は本当にやってくるのでしょうか。 (経済部・吉武洋輔記者 江崎大輔記者) 今月、トヨタ自動車と東芝が、相次いで水素の新たな事業を発表しました。目指すのは二酸化炭素ゼロの究極の水素を作り出す取り組みです。 トヨタが始めたのは風力発電。神奈川県などと共同で、横浜市にある風力発電所に水素の製造装置を作りました。CO2を出さない風力の電気を使って、水を電気分解して水素を取り出します。できた水素は近くの工場のフォークリフトの燃料に利用します。一方、東芝は太陽光発電です。やはりCO2を出さない太陽光
ブラザー工業は2016年7月8日、同社初となる燃料電池システム「BFC2-W700MH」を開発したと発表した(図1)。小型かつ長時間運転を可能にしたのが特徴の製品だ。企業や自治体の非常用電源のニーズを見込んだもので、同社が中期経営計画で拡大を目指す産業用領域の新規事業の1つとなる。既にサンプル販売を開始している。 燃料電池システムは「発電ユニット」と水素燃料を入れる「燃料ユニット」の2つで構成する。外形寸法と重量は発電ユニットが53×56×66センチメートル、78kg。燃料ユニットは51×42×67センチメートル、燃料ケースを除く本体のみの重量が41kgだ。 固体高分子形燃料電池と純水素を利用して発電する。定格出力はDC12~21V(ボルト)で、別売りでAC100V出力のキットも用意する。最大負荷容量は880W、マイナス15~40度の範囲内で利用できる。電源容量は15.8kWh(キロワット
リモコンと連動して発電状況を監視 新機種の第3の特徴はインターネットやスマートフォンを利用した管理サービスである。「エネファームtype S」には無線LAN機能を内蔵したリモコンが標準で付いている(図8)。このリモコンを無線LANでインターネットに接続すると、大阪ガスから遠隔監視やエネルギー管理のサービスを受けることができる。
東芝は20日、太陽電池で起こした電気で水素を作って貯蔵し、必要なときに再び電気に換える国内初のシステムを川崎市の公共施設で稼働させた。災害時などは約300人分の電気とお湯を約1週間供給できる。充電池などを使う場合に比べ、大量の電気を効率よく保存できるという。 太陽電池が使える日中に水を電気分解し、取り出した水素をタンクにためる。給水タンクもあるため、水道が止まっても日差しがあれば水素をつくり続けられる。この水素を使って燃料電池で電気を起こし、発電時に出る熱で、給水タンクの水をお湯にする。 システム一式は長さ20フィート(約6メートル)のコンテナ三つと、長さ2メートルのコンテナ一つに入っており、他の場所で災害が起きたらトラックなどで運ぶこともできる。川崎の施設は実証実験という位置づけ。今年9月までに自治体や企業向けにシステムの販売を始め、輸出も検討するという。年50台の受注を目指す。(南日慶
まとめ 15.01.27水素の輸送は困難 水素製造は低効率 水素社会日経記事批評 科学者、化学屋、コロラド先生ほかの皆さんの批評、解説、コメントです。 >トルエンなどの有機物質を使った水素貯蔵は、むしろエネルギー輸送が困難な場所でのエネルギーの水素としての貯蔵の意味がある。要するに、二次電池と同じ。 南極観測基地で水素貯蔵実証実験を行ったのは、そういった理由がある。二次電池は、低温では機能しなくなることもあり得る。まぁ、実験としては面白い。 >エネルギー密度の小ささから、かなり特殊用途の蓄電池(燃料電池)として使われると思います。 >地方では、ガソリンスタンドが無くなって困っているのに、それで水素ステーションが更にきめ細かく建設できるかというと、そりゃ無理だわ。 >街中で水素スタンドを建設するなんて危険極まりなく、あり得ないというのが、元化学プラントエンジニア&燃料電池開発に関.. 688
1月6日、トヨタが燃料電池車特許すべての無償提供を発表したことについて、自動車メーカー各社から驚きの声が上がった。写真はトヨタの燃料電池車。カリフォルニア州で昨年11月撮影(2015年 ロイター/Lucy Nicholson) [東京 6日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>が単独で保有する燃料電池車(FCV)関連の特許すべての無償提供を6日発表したことについて、日系自動車メーカー各社からは「ものすごい英断」(日産自動車<7201.T>の志賀俊之副会長)などと驚きの声が多く上がった。 FCVは燃料となる水素のインフラが必要になるため、台数の拡大が急がれている。トヨタは1社の努力だけでは限界があり、他社を巻き込むことで市場創造を加速したい考えだが、次世代エコカー戦略に対する自動車メーカー各社の思惑はさまざま。トヨタの狙い通り、実際に競合他社がトヨタの技術を採用するかどうかが注目され
クルマ業界は水素ブーム 2014年12月15日、トヨタ自動車は世界初の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」を発売した。FCVは、走行時に「H2+1/2 O2=H2O+電気」と、CO2は一切排出せず水しか出ない。それゆえ、「究極のエコカー」と呼ばれている。 2011年以降、クルマ業界では、水素で走るFCVがブームの兆しを見せている。2011年9月にルノー・日産自動車とダイムラーが燃料電池自動車開発分野での共同開発に合意、2013年1月にトヨタとBMWが提携、同月にルノー・日産自動車とダイムラーの提携にフォードが加入、7月にホンダとゼネラルモーターズ(GM)が提携している。 そして、2014年12月に、世界で先駆けて、トヨタがFCVを発売した。2015年には、ホンダも発売を予定でしている。 業界に反旗を翻すテスラモーターズ クルマ業界がこぞってFCVに進む中、映画「アイアンマン」のモデ
九州大学などの研究グループが、燃料電池の電極として使われる希少金属のプラチナの代わりに微生物が作る物質を使ってより効率的な電極を世界で初めて開発したと発表しました。 プラチナに頼らない新しい燃料電池につながる可能性があると注目されます。 燃料電池では、水素から電子を取り出して酸素と反応させるために希少金属のプラチナが電極に使われていますが、価格が高く資源量が限られるためこれに代わる素材の研究が各国で行われています。九州大学の小江誠司教授の研究グループは、名古屋大学と共同で、プラチナ以上の効率で発電できる電極を世界で初めて開発したと発表しました。 新しい電極は、大分県で採取したバクテリアが作り出す水素を分解する酵素の一種を炭素繊維の表面に塗ったものです。 これを試験的に燃料電池に使ったところ、プラチナの電極の1点8倍の電力を発電できたということです。 また研究グループでは、電極の製作費用はプ
「電気は貯められない」。現在のエネルギー政策は、この主張が大前提になっている。だが、東北大学未来科学技術共同センター教授の小濱泰昭氏は、この主張に真っ向から異議を唱える。太陽光でMg(マグネシウム)を精錬し、Mgを組み込んだ燃料電池に加工する……、こうして、電力を物質の形で蓄え、輸送し、新しいエネルギー循環を作り上げられるという。同氏は実際に機能するMg燃料電池も開発した。 燃料電池は何らかの物質を酸素と反応させて電気エネルギー(と水など)を取り出す発電装置だ。モノ(燃料)を入れると電力が出てくるという点で、火力発電といくぶん似ている*1)。ただし火力発電よりも効率が高く、CO2(二酸化炭素)の排出を減らせる。 *1) 一方、リチウムイオン二次電池などは電力を入力し、蓄え、電力を出力する装置だ。モノを入れる必要はないが、最初に電力を入力しなければ機能しない。 燃料電池はモノを入れなければ動
2011年04月18日12:00 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 電気も沸かす時代へ - 書評に代えて - 「燃料電池」のキホン ソフトバンククリエイティブより以前献本いただいたもの。 「燃料電池」のキホン 本間琢也 / 上松宏吉 今改めて読み返したのは、今一番確実なのが天然ガスだから。 脱原発の大まかなロードマップは、ガスで当座をしのぎつつ太陽光発電の普及をすすめ、洋上風力も模索といったあたりに落ち着くと今のところ考えている。マグネシウム http://ht.ly/4wJuZ はもう少し先か。あと蓄電技術の進歩がどこまで進むかless than a minute ago via HootSuite Favorite Retweet ReplyDan Kogai dankogai 本書「「燃料電池」のキホン」は、サイエンス・アイ新書の姉貴分にあたるイチバンやさしい理工系シリーズの一
水素やメタノールを燃料として発電する燃料電池は、携帯電話から自動車まで今後さまざまな用途への応用が期待されています。しかし、現在実用化されている多くの方式の燃料電池では、高い発電効率を得るためには電極触媒として非常に高価で希少な金属であるプラチナ(白金)を使う必要があり、実用化と普及への大きな障壁となっています。燃料電池の値段の4分の1はプラチナ代とも言われるそうです。 そんな中、ケース・ウェスタン・リザーブ大学の化学者たちが、プラチナの650分の1の価格で同レベルの発電効率を得られる新触媒を開発し、燃料電池の低コスト化へ大きな一歩となるのではないかと期待されています。 詳細は以下から。Cheap catalyst made easy ケース・ウェスタン・リザーブ大学の化学工学者Liming Dai教授らは、PDDA(ポリ塩化ジアリルジメチルアンモニウム)という強い電子求引性を持ったポリマ
気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン Neal Sandler (BusinessWeek誌、エルサレム支局特派員) 米国時間2009年12月11日更新 「A Breakthrough for Hydrogen Storage?」 2005年、イスラエルの起業家モシェ・シュテルン氏(現在62歳)は、ロシアの高名な科学者エフゲニー・ベリホフ氏から、水素を安全に貯蔵する画期的な技術の話を初めて聞いた。当時、シュテルン氏は代替エネルギー技術について詳しくなかったが、それから4年後の現在では、水素貯蔵の技術に精通し、この技術の熱烈な信奉者となっている。同氏は、ロシア発のこの新技術によって、研究機関や産業界大手が、環境に配慮した代替エネルギーとして水素を活用する道が開けると確信している。
図1 固体酸化物形燃料電池(SOFC)の反応 燃料極(アノード)、イオン伝導性を備える電解質、空気極(カソード)からなり、ほぼすべての構造をセラミックスで形成する。燃料としてH2(水素)、CO(一酸化炭素)、CH4(メタン)を用いた場合を示した。 化学エネルギを電気エネルギに直接変換する燃料電池は、効率の高さや出力当たりのCO2(二酸化炭素)排出量の少なさから、さまざまな機器への適用が試みられている。 現在、研究開発が進んでいる燃料電池は5種類あり、電解質の種類や動作温度がそれぞれ異なる。その中の1つである固体高分子形燃料電池(PEFC)は、H+(水素イオン)交換膜を電解質として使い、100℃以下という比較的低い温度で動作する。出力密度が高く小型化に向くことや、起動時間が短いことなどから、携帯型機器向けや車載用主電源として実用化が始まっている。しかし、高価で希少なPt(白金)やRu
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